フォルクスワーゲン IDポロ 52kWh(2) このブランドらしい好印象ハッチバック 航続距離は競合超え 運転支援はクラス屈指

公開 : 2026.09.21 18:10

フォルクスワーゲンのEVの新たな方向性を体現する、IDポロ。キャビンは物理スイッチが大幅に増え、驚くほど広々としたものです。競合超えの航続距離で、走りは活気あるものとなります。UK編集部が試乗しました。

競合超えの航続距離で活気ある走り

いよいよバッテリーEV版が投入される、フォルクスワーゲン・ポロ。エントリーグレードには、37.0kWhのLFP駆動用バッテリーが載り、航続距離は334km。試乗した方はNMCの52.0kWhで、1充電で453km走れると主張される。

この航続距離は、アップデートを受けたルノー 5 E-テックを24kmほど上回る数字。ミニ・クーパー・エレクトリックは、大きく水を開けられた。52.0kWhのバッテリーを積むIDポロの場合、最高出力は210psで、0-100km/h加速を7.1秒でこなす。

フォルクスワーゲン IDポロ 52kWh スタイル(欧州仕様)
フォルクスワーゲン IDポロ 52kWh スタイル(欧州仕様)

実際に走らせてみると、数字通り活気がある。パワーデリバリーは滑らかで、スポーツ・モードでは颯爽と速度を高めていく。GTIグレードではなくても、不足なく熱の入った前輪駆動のハッチバックだ。

回生ブレーキはデフォルトの効きだけで、強さを選べない。だが、ステアリングコラムから伸びるセレクターで、オン/オフを素早く選べる。

安全志向の操縦性に締まりある姿勢制御

ステアリングは、反応が小気味良い。フォルクスワーゲンらしく安全志向で、回頭初期は僅かにアンダーステアながら、その後はニュートラルに旋回し、操る自信も抱きやすい。更に駆り立ててみても、安定性は失わない。

前がマクファーソンストラット、後ろはトーションビームのサスペンションは、比較的ソフトにチューニングされているが、姿勢制御の締まりも充分。キビキビと普段の道を運転できる。カーブの途中に不意の段差があっても、滑らかに処理していた。

フォルクスワーゲン IDポロ 52kWh スタイル(欧州仕様)
フォルクスワーゲン IDポロ 52kWh スタイル(欧州仕様)

傷んだ路面を完全に均すことは難しいとしても、乗り心地も良好。快適性は高い。

有能な運転支援システムに6.7km/kWhの実電費

運転支援システムは、ステアリングやブレーキへ自然に介入し、前方の信号機にも反応。知的なサポートで、ドライバーの負担を抑えてくれる。車線維持支援は控えめに動作し、制限速度警告のアラームも耳障りではない。

運転のしやすさを重視した設計で、煩わしく感じられず、筆者が体験したものではクラス屈指の制御と表現できる。人間工学に優れたインテリア・デザインと相まって、一緒に暮らしやすいハッチバックに思えた。

フォルクスワーゲン IDポロ 52kWh スタイル(欧州仕様)
フォルクスワーゲン IDポロ 52kWh スタイル(欧州仕様)

下道から高速まで、複合的な条件を1日走らせた試乗での電費は、6.7km/kWh。現実的に、350kmほど走れると考えていいだろう。ただし、高速道路での数字だけを見れば5.1km/kWhで、約260km毎に充電が必要となる。

急速充電は、52.0kWhの駆動用バッテリーで最高105kWと、競合を凌駕。37.0kWhの容量でも、90kWと不満ない速さにある。エンジン版ポロのように、距離を気にせず走れるわけではないが、コーヒー休憩を挟んでいるうちに回復できるはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 執筆

    サム・シーハン

    Sam Sheehan

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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