飲んだら乗るな、乗ったらスマホ見るな 「ながら運転」による交通事故を考える【森口将之の『もびり亭』にようこそ 第23回】

公開 : 2026.08.12 12:05

道路がこれ以上危険な場所にならないように

スマホが仕事や生活に不可欠であることは、僕も実感しています。だから自分は、新車の発表会や試乗会を含めて、なるべく公共交通を使います。時間に正確だから、運動不足解消に効果があるからという理由もありますが、スマホで仕事をしながら移動できるメリットは大きいと感じているからです。

自動運転が実現すれば、と夢見ている人もいるでしょう。しかし現実には、先行している米国や中国を見ればわかるように、自動運転はロボタクシーから導入されます。タクシーもまた公共交通のひとつなので、スマホを見るなら公共交通、という図式は変わりません。

今年上半期も、ながら運転の死亡・重傷事故は増加。
今年上半期も、ながら運転の死亡・重傷事故は増加。    警視庁

トラックについては、すでにドライバー不足が課題になっているわけですから、鉄道や船舶へのモーダルシフト、ドライバーの荷待ちや荷役の禁止を徹底していけば良いのではないでしょうか。トラックに依存しすぎている日本の物流を改善するチャンスでもあります。

「あまり厳しくするとドライバーが減ってしまう」という声は、表向きには出ないと思いますが、裏では厳罰化を阻止しようという巧妙な動きを、さまざまな業界が仕掛けてくるかもしれません。

しかし忘れてはいけないのは、人の命がかかっているということです。

道路がこれ以上危険な場所にならないように、飲んだら乗るな、乗ったらスマホ見るな、が当たり前になる社会になってほしいものです。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。

森口将之の『もびり亭』にようこその連載

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