フォルクスワーゲン・ビートルに対抗したアウディの前身 アウトウニオン1000SとパナールPL17(2) 2スト3気筒が作る笑顔 現存唯一の右ハンドル

公開 : 2026.09.12 17:50

英国製サルーンとは英仏海峡以上の隔たり

パターソンが続ける。「このクルマを走らせていると、つい笑顔になるんです。2ストエンジンの匂いや、体験そのもので。歴史の一部を運転している感覚になります。点火系を電子制御に改めて、燃料ポンプも電動にしたので、走りは劇的に良くなりました」

通りを行く1000Sを目にすると、街角の人も笑顔になる様子。ジム・バウマン氏が所有するPL17に対する反応も同様だ。「笑っているようなフロントマスクが、火星人に似ていると話す人もいますよ」

パナールPL17(1959~1965年/英国仕様)
パナールPL17(1959~1965年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

同時期のクラシックに限らず、どんなモデルとも一線を画す1000SとPL17。英国で生産されていたサルーンとの間には、英仏海峡以上の大きな隔たりがあったように思う。

PL17は、タートルネック・セーターで決めたフランスの哲学者のよう。1000Sは、冷戦時代をやり過ごすドイツ人を想起させる。2台とも、似たモデルは思い浮かばない。1960年代のパナールが主張したとおり、どんな角度から見ても。

協力:DKWオーナーズクラブ、パナール・エ・ルヴァッソール・クラブGB、ブリックワークス・ミュージアム

超個性的な仏独サルーン 2台のスペック

アウトウニオン1000S(1958~1965年/英国仕様)

英国価格:1179ポンド(新車時)/1万2000ポンド(約258万円)以下(現在)
生産数:17万1008台
全長:4229mm
全幅:1689mm
全高:1416mm
最高速度:128km/h
0-97km/h加速:23.0秒
燃費:9.3km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:895kg
パワートレイン:直列3気筒980cc 自然吸気 2ストローク
使用燃料:ガソリン
最高出力:43ps/4500rpm
最大トルク:8.5kg-m/2250rpm
ギアボックス:4速マニュアル/前輪駆動

パナールPL17(1959~1965年/英国仕様)

英国価格:999.17ポンド(新車時)/2万ポンド(約430万円)以下(現在)
生産数:16万6000台
全長:4572mm
全幅:1689mm
全高:1461mm
最高速度:127km/h
0-97km/h加速:28.6秒
燃費:11.3km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:838kg
パワートレイン:水平対向2気筒851cc 自然吸気 OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:42ps/5300rpm
最大トルク:7.0kg-m/2500rpm
ギアボックス:4速マニュアル/前輪駆動

アウトウニオン1000S(1958~1965年/英国仕様)
アウトウニオン1000S(1958~1965年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・ロバーツ

    Andrew Roberts

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

アウトウニオン1000SとパナールPL17の前後関係

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