ジェンセン、ブリストルにマーコス 英国名門ブランドの相次ぐ復活 果たして成功するのか?【UK編集部コラム】

公開 : 2026.09.11 17:05

最近、英国の自動車ブランドが次々と「復活」を宣言しています。ジェンセン、ブリストル、マーコスなど、いずれも刺激的な計画を掲げていますが、TVRの二の舞を避けられるでしょうか? UK編集部記者のコラムです。

次々と発表される「復活」宣言

まるでスーパーヒーロー映画のユニバースのように、自動車メーカーの復活が延々と繰り返されている。ただ、それに伴う興行収入がないだけ。おそらく、それが今の状況なのだ。

この記事を書いている時点で、ブリストルが復活を発表した。そして、記事が公開される頃には、ジェンセンも同様に復活を宣言しているだろう。

ジェンセン・インターセプターGTX
ジェンセン・インターセプターGTX    ジェンセン

少なくとも、両社は2010年代半ばのTVRほど壮大な野心を持って復活したわけではない。TVRはウェールズに大規模な工場を建設するという計画を抱いていたが、結局失敗に終わり、他社に吸収されてしまった。

ジェンセンの『S-V8』や、ブリストルの『ブレット』のように、以前にも似たような復活劇があった気もするが、筆者はどちらのブランドにも興味をそそられている。

野性味あるジェンセンのサーキット専用車

ジェンセンは現在、新型『インターセプター』のプロトタイプを1台製作したところだが、すぐにもう1台作れると述べている。ちなみに、このプロトタイプは購入の申し出を受け付けている。もし申し出がなければ、少なくとも出資者は「カーズ・アンド・コーヒー」(クルマ好きが集まるイベント)に持っていけるユニークな1台を手にすることになるだろう。

個人的な感想を言えば、筆者はこの新型インターセプターが気に入っている。見た目は良いし、音も最高だ。流線型で、力強いフロントエンジン・後輪駆動のセダンには、何か本質的な魅力を感じる。とはいえ、大手メーカーがこれ以上生産するほどの魅力ではないのは明らかだが。

ジェンセン・インターセプターGTX
ジェンセン・インターセプターGTX    ジェンセン

また、全長5mを超えるなどサーキット専用車としては非常に大きいものの、サーキット走行が最終目標ではないことは明らかだ。構造的にもコンセプト的にも、これはアストン マーティンラピードの系譜に連なるクルマと言えるだろう。

ユニークなボディの下には現在、他社から調達したシャシー部品が使用されている(アストンやロータスのアルミニウム製アーキテクチャーを手掛けたメーカーと連携しているそうだ)。もちろん、現時点ではそれが悪いことだとは言い切れない。

古い歴史に区切りをつけるブリストル

ブリストルは、市場が20年前とは異なる状況になっていることを期待しているに違いない。20年前、同社は『ファイター』の販売を試みたが、ほぼ失敗に終わった。おそらく、当時の独特な経営スタイルが、販売の助けにはならなかったのだろう。

当初の計画では、わずか5台のファイターを完成させ、買い手を見つけることになっている。そのシャシーは、同社の清算(2011年)後にウィンドルシャムの地下室から引っ張り出されたものだ。ウィンドルシャムは現在、ゴードン・マレー・オートモーティブが拠点を置き、ある意味でマクラーレンF1の復活(T.50などの開発)を試みている場所でもある。

ブリストル・ファイター
ブリストル・ファイター    ブリストル

先日、筆者はブリストルの新たな出資者であるポール・キング氏と30分ほど楽しい時間を過ごした。彼は「新しいブリストルを立ち上げる前に、古いブリストルの歴史に区切りをつける」と語っていた。その実現にはさまざまなコラボレーションやパートナーシップが必要であり、新生ブリストルは「非常にプレミアムで、極めてハイエンド」なものになるという。しかし、それ以上の具体的な内容についてはまだ決まっていないようだ。

とはいえ特注のファイター、とりわけ「サロン・プリヴェ」(英国の自動車イベント)に展示されていたような見事な仕上げの1台は、70万ポンド(約1億4700万円)もするとの噂もあるが、当時と変わらず今なお十分な魅力を放っていることがわかる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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