『昭和のキャブレター車』は標高2000m超の峠を越えられるか?【連載:遠藤イヅルのB11型日産サニーカリフォルニア再生&快適化計画 #21】

公開 : 2026.08.28 12:05

電子制御キャブレターの威力

となれば、もうこれは勇気を振り絞って、あの記憶を恐れずにチャレンジしてみるほかはありません。

夏のとある日。長野県に所用があったので、標高2172mの渋峠を通る国道292号の『志賀草津高原ルート』を長野県側から登って行きました。湯田中近辺の標高は約600m。そこから2000m以上まで上がっていくのです。

ウチのサニーカリフォルニアに積まれているE15S型エンジンの断面図。B11型サニーでは最上級モデルに電子制御インジェクション (EGI)版の『SGX-E』も用意されていました。
ウチのサニーカリフォルニアに積まれているE15S型エンジンの断面図。B11型サニーでは最上級モデルに電子制御インジェクション (EGI)版の『SGX-E』も用意されていました。    遠藤イヅル

グロス85ps+3速オートマというウチのサニーカリフォルニアは、ちょっとした登りでも重力を感じる低性能(笑)。ベタ踏みでも40km/hくらいしか出ないような急坂をなんとかクリアしていきます。

しかしその遅さはもともとの性能で、キャブレター車で高地を走った際にガックリとパワーが失われる『あの感覚』ではありません。渋峠でのエンジン再始動も、まったく問題なしでした。電子制御キャブレターは、空気が薄い高地でも充分な働きを見せてくれたようです!

なお電子制御キャブレターは1980年代前半頃に登場。当時すでに、排気ガス対策と燃費向上のための電子制御による空燃比制御は不可避となっていましたが、このシステムは高価でした。

そこで価格の安いクルマにも搭載できるよう編み出されたのが、電子制御燃料噴射の制御技術を応用して、燃料供給量を可変できるようにした電子制御キャブレターです。従来のキャブレターの技術やパーツを流用でき、高額部品も不要なため各社がこぞって採用しましたが、インジェクションの低廉化が進むと急速に姿を消してしまいました。

次回は、これまでに行った修理内容を改めてまとめてみようと思います。

(当連載は不定期掲載ですが、主に金曜日お昼頃に公開予定となります)

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    遠藤イヅル

    Izuru Endo

    1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター兼ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持つ。コピックマーカーで描くアナログイラストを得意とする。実用車や商用車を好み、希少性が高い車種を乗り継ぐ。現在の所有は1987年式日産VWサンタナ、1985年式日産サニーカリフォルニア、2013年式ルノー・ルーテシア。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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