夏休みのお祭り『サイドウェイトロフィー4時間耐久』に出場!【若手編集部員がレースデビュー】

公開 : 2026.08.29 12:05

4時間を走り切り、得たもの

止むことを知らない雨足のなか、決勝がスタート。30分ごとに交代しながら、ふたりで4時間を走る計画である。ヘビーウエットのコンディションだったが、途中セーフティカーの助けもあり、一時は4位まで順位を上げることができた。無給油で走り切れれば、表彰台も視野に入る位置だった。

最終のスティントでは、以前と同じようにブレーキングをするとロックしてしまうほどにタイヤもタレてきていた。前輪のグリップに頼るだけではクルマの向きが変わらなくなり、スロットルでの姿勢変化、つまりはドリフトで曲げていく走りに変わった。

ドリフトしながら最終コーナーを抜ける筆者。
ドリフトしながら最終コーナーを抜ける筆者。

速く走るためという大義名分のもと、ドリフトに勤しむ。フロント荷重のまま、鼻先の向きだけを変えつつ、フロントが逃げてしまう前にスロットルオン、ゼロカウンタードリフトに持ち込んだままエイペックスを抜けて、加速へ。

今まで味わったことのない、痛快な興奮を伴いながらも、冷静にスプライトの挙動の全てを手中に収めていく。「何周でも何時間でもこのまま走っていられる」と思った矢先、ギャラリーの拍手の奥にチェッカーが振られているのが見えた。短い4時間だった。

結果は総合5位、クラス2位。一見すると華々しい結果だが、クラスの出走台数は2台のみ。とはいえ、初レースでトロフィーをいただけるというのは純粋に嬉しい。

ただ、それ以上に、タイヤや路面と対話しながら、スプライトとひとつになって思うままにコントロールできたことへの喜びが大きい。もちろん、手練れの先輩方と比べれば、きっとお粗末なコントロールだったはずだろう。

ヒストリックカーレースには、タイムやスピードだけでは測れない余白や面白さに満ちている。こんなに楽しい遊びからはしばらく抜け出せそうにない。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_

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