【その姿はロマンが溢れる】酷暑の中クラシックカーたちが疾走!サイドウェイトロフィー4時間耐久

公開 : 2025.09.27 11:25

『サイドウェイトロフィー』は、袖ヶ浦フォレストレースウェイを舞台に、毎年春と冬に開催されている英国車中心のクラシックカーレースです。今回は夏祭り企画として、史上初の4時間耐久レースが実施されました。編集部オゴーがレポートします。

ロマンを求めるクラシックカーレース

『フェスティバル・オブ・サイドウェイトロフィー』(以下FoST)は、英国の人気クラシックカーレースである『グッドウッド・リバイバル』を手本とした、サーキットイベントである。

FoSTは、ただクルマを速く走らせるのではなく、1960年代のロマン溢れるモーターレース黄金期の空気感を表現することを目的としており、袖ヶ浦フォレストレースウェイを舞台に年2回、春と秋に開催されている。

セーフティーカーはなんとジャガー・マーク2、それに続くヒーレーやロータスたち。『グッドウッド・リバイバル』さながらの光景。
セーフティーカーはなんとジャガー・マーク2、それに続くヒーレーロータスたち。『グッドウッド・リバイバル』さながらの光景。    佐藤亮太

レギュレーションはグッドウッド・リバイバルに準じ、現代のハイグリップラジアルタイヤは使用できず、当時の雰囲気に即したバイアスタイヤに限定。現代的な素材を使った派手な改造も制限される。さらにはクルマのビジュアルやメカニズムにとどまらず、参加者やスタッフの服装、会場を彩る看板に至るまで時代感を壊さぬよう統一されている。

ここまで雰囲気の再現に取り組むレースは珍しく、参加者も観客も一体となって1960年代にタイムスリップするような体験が味わえる。

夏祭りと題された特別なレース

今回実施された4時間耐久レースは、正式名称を『4 HOURS HISTORIC ENDURANCE RACE(4アワーズ・ヒストリック・エンデュランス・レース)』とするFoSTのスピンオフ的なイベントである。20年以上の歴史を誇るFoSTにおいて、4時間の耐久レースは史上初めての試みであったという。

普段開催されているFoSTは、時代感を重んじたイベントであることもあり、参戦には一定のハードルが存在した。しかし今回の耐久レースは、その敷居が低く設定され、より多くの人々にクラシックカーレースを体験できる機会としたそうだ。

お揃いのチームTシャツに身を包む参加者たち。普段のFoSTはもっとオシャレなので、今回は草野球のような和やかな空気感であった。
お揃いのチームTシャツに身を包む参加者たち。普段のFoSTはもっとオシャレなので、今回は草野球のような和やかな空気感であった。    佐藤亮太

耐久レースは通常のスプリントレースとは性格が異なり、一発全開の勝負ではなく、好ペースを維持しつつ走り続けて完走することこそが勝利の鍵となる。したがって経験が浅い参加者でも参戦しやすくなるというメリットがある。

また、長時間のレースであるがゆえにドライバー交代の機会が増え、1台を複数人でシェアできる点も参加人数増加要因となった。それに酷暑の中とはいえ、常に全開でプッシュするスプリント形式に比べればクルマへの負担も多少は軽減される。

実際に、ショップの仲間同士で1台を共有するチームや、この耐久を機に初参戦したドライバーが見られた。また、旧車のレースでは珍しく、女性メンバーのみで構成されているチームもあったほど。会場にはチームのおそろいTシャツや簡易プールなどが用意され、普段のFoSTとは少し異なる、夏祭りらしい和やかな雰囲気に包まれていた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員

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