2027年に軽EVを発売する新たな自動車ブランド『エムタ』が目指す「日本品質」とは 新設されたR&Dセンターでそのビジョンを訊く

公開 : 2026.09.07 17:05

価格は「十分にチャレンジできる」

販売ネットワークに関しては、現在、全国に約600店舗あるオートバックスのうち、400ほどの車両販売が可能な店舗の中で検討しているという。しかしそれでは全国をカバーできず空白地域ができるため、同時に販売会社=ディーラーと交渉を進めている。

交渉を担当するCMOの打越晋氏は、まだ発表前のイラストを見せると「全員が売れると言ってくれます」と手ごたえを感じている。また、アフターサービスがガソリン車に比べて少ないEVはディーラーの利益が少ないため、既存の枠組みとは違う形を考えているとのことだ。

EMT R&Dセンターで開催されたメディア向けセッション。左からTCSディレクターの茂木雅之氏、打越晋CMO、山本浩二CTO、デザイナーの野口孝士氏。
EMT R&Dセンターで開催されたメディア向けセッション。左からTCSディレクターの茂木雅之氏、打越晋CMO、山本浩二CTO、デザイナーの野口孝士氏。    平井大介

ターゲットユーザーに関しては、特にペルソナを設定していない。これは都市部でアーリーアダプターから積極的に選んでもらうというよりは、軽乗用車のEVを本当に必要としている地方でこそ選んでもらいたいという想いがある。

価格に関してはもちろん公表していないが、CMOの打越晋氏は、ガソリン車と同等レベルの価格帯で準備しており、「十分にチャレンジできる」と胸を張る。また、価格破壊が目的でも、補助金頼りでないことも強調した。なおバッテリー容量は大小2種類用意する予定で、当然小さいほうが価格的には目玉となるだろう。

日本企業として品質の高い製品を作り、目の肥えた日本の顧客に認めてもらうことで、グローバルで成功するブランド力を身につけることを目指す『エムタ』。その目的はテクノロジーの追求ではなく、多くの人々を笑顔にすることとし、それを実現するための最前基地が今回の会場となったR&Dセンターとなるそうだ。

EMT=エムタの挑戦は始まったばかりであるが、少なくとも新しい何かが生まれるポジティブな空気感は伝わってきた。今後もその行方を取材していきたいと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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