デジタル化に逆行するインテリア ベントレー初のEV『トルカル』初公開!(後編) 独自の推進音として「オーケストラ」サウンド導入

公開 : 2026.09.25 11:50

デジタル一辺倒ではない

「わたし達が早い段階で、美しいジュエリーのような物理スイッチとデジタル要素を組み合わせることを決めました。つまり、インストゥルメントパネルにiPadを置き、すべてのスイッチを排除するという道は選ばなかったのです」とロビン・ペイジは述べた。

特に注目すべきは、プラットフォームを共有するモデルとは一線を画し、デジタル化という広範なトレンドにも逆行して、助手席用タッチスクリーンを搭載していない点だ。マーティン・ペイジ氏は、これは「意識的な決定」であり、「ベントレーは顧客体験に著しい付加価値をもたらすテクノロジーのみを導入します」と述べた。

ベントレー・トルカル
ベントレー・トルカル    ベントレー

同氏はさらに、「現在市場に出回っている助手席用ディスプレイの機能を見る限り、それらは乗員の体験に何の影響も与えていません」と付け加えた。

「個人的には、レベル4の自動運転が実現し、航空機のようにゆったりと座ってビデオを観られるようになった時にこそ、助手席用ディスプレイが真価を発揮するだろうと考えています」

推進音は楽器を用いたオーケストラ

フェラーリ・ルーチェのように電気モーターの音を増幅させたり、カイエン・エレクトリックのように人工的なV8サウンドを重ねたりするのではなく、トルカルは独自の推進音として「オーケストラ」サウンドを導入している。

旧ターボRの6.75Lエンジンを参考に、ドラム、ヴィオラ、ベースギターを用いて制作されたこの「排気音」は、必ずしもベントレーのトレードマークであるV8エンジンを模倣するものではなく、その抑揚やリズムに合わせることで、クルマとドライバーの間に「同様の力強い音のつながり」を生み出すことを目指している。

ベントレー・トルカル
ベントレー・トルカル    ベントレー

無効にしない限り車内と車外の両方で再生され、加速するにつれて周波数が上昇し、ドライビングの没入感と真正性を高めるようになっている。

マーティン・ペイジ氏は次のように述べた。

「推進音は、クルマから最大限のパフォーマンスを引き出し、その体験を享受する上で不可欠です」

「推進音を無意識に認識する能力、そしてそれがハンドリングや挙動に付加する価値は、極めて重要です」

さらに、このサウンドは乗員の乗り物酔いを軽減することもできるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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