トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(2) 路面を選ばないホットハッチからターマック志向へシフト セグメントを超越するカリスマ性

公開 : 2026.10.22 18:10

確実に上昇したサーキットでの能力

つまり、グラベルまで路面を選ばないホットハッチから、よりターマック志向へシフトしたといえる。サーキットでの能力は、確実に上昇している。

確かに重心は高めで、外側のタイヤへの負荷も小さくはないが、旋回時の姿勢制御は秀抜。強い横Gがかかっても、優れたグリップバランスは維持される。ブレーキングを詰め、エイペックスをすり抜け、果敢にパワーオンという、一連が気持ちいい。

トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)
トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)

ちなみに、現在の英国仕様ではサーキットパックが標準装備。セバスチャン・オジェ氏の世界9勝を記念した仕様や、特別仕様のモリゾウRRも設定されるが、6万6000ポンド(約1373万円)に達する。欧州の割当は各100台で、需要を踏まえた価格設定だろう。

英国でこの予算を準備すれば、フォルクスワーゲン・ゴルフRやアウディS3、メルセデスAMG A35などを検討できる。それらは、0-100km/h加速を5.0秒以下でこなす。

Bセグメントを超越したカリスマ性

発売当初は、世界ラリー選手権のホモロゲーション取得という、重要な命題があったGRヤリス。2026年にはその重荷は解かれ、欧州では少量生産の特別なモデルという位置付けになったといえる。サーキットでの走りを重視した、アップデートも受けている。

それでも、依然としてカリスマ性は高いまま。極めて刺激的で、Bセグメントというクラスを超越した能力を秘めている。ただし、どうにも英国価格は高すぎる。クルマとしての評価を、下げてしまうほど。

トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)
トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)

◯:素晴らしく情熱的な動的能力 公道でもサーキットでも、見事なドライバーズカー 3ペダルを操るオールドスクールな一体感
△:納得し難い高価格 同価格帯の競合へ届かない内装の質感や実用性 安定志向の四輪駆動が制限するサーキットでの楽しさ

トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)のスペック

英国価格:5万2295ポンド(約1088万円)
全長:3995mm
全幅:1805mm
全高:1455mm
最高速度:230km/h
0-97km/h加速:5.3秒
燃費:14.1km/L(市街地)/13.4km/L(高速)
CO2排出量:−g/km
車両重量:1280kg
パワートレイン:直列3気筒1618cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:280ps/6500rpm
最大トルク:39.7kg-m/3150-4600rpm
ギアボックス:6速マニュアル/四輪駆動

トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)
トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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