まだEVではチャレンジャー トヨタ C-HR+(1) bZ4Xの技術をもとに高めた訴求力 車内空間は狭い部類 欧州で競争相手には事欠かず

公開 : 2026.10.01 18:05

EVではチャレンジャー側のトヨタによる新型、C-HR+にUK編集部が試乗します。bZ4Xへ似たスタイリングで、車内空間はクラスでは狭い部類。安楽に運転できるものの、高負荷時の耐性に疑問が残るようです。

実用に耐えるEVの分野ではチャレンジャー

つまらないクルマ作りはしない、という大胆なフレーズを口にする、トヨタ会長の豊田章男氏。広報部門は歓迎するかもしれないが、GR86やGRヤリスのような、象徴的モデルだけでブランドは成り立たない。数をさばける、ファミリーカーも必要になる。

果たして、近年のトヨタは有言実行を進めてきた。カローラやC-HRは、目を惹くスタイリングをまとい、心へ響く走りを叶えてきた。ウェッジシェイプのプリウスも。とはいえ、実用に耐えるバッテリーEVという分野では、チャレンジャーの立場にある。

トヨタ C-HR+ デザイン(英国仕様)
トヨタ C-HR+ デザイン(英国仕様)

ここへ投入されるのが、C-HR+。個性が薄めのトヨタbZ4Xをベースに、高効率な電費と訴求力ある価格が目指された。シャシーも、運転の楽しさを意識した設定だという。

欧州でのライバルは、プジョー E-3008やルノー・セニック E-テック、シュコダ・エルロックなど。競争相手には事欠かない。

bZ4Xと雰囲気が近いスタイリング

プラットフォームは、bZ4Xも採用するEV仕様のe-TNGA。駆動用バッテリーは54.0kWhに加えて、試乗車のような72.0kWhも選択でき、水冷と空冷でしっかり温度管理されるそうだ。駆動用モーターがフロントに載る、前輪駆動が標準となる。

最高出力は、54.0kWh仕様で167ps。72.0kWhのロングレンジ版では、224psへ強化される。リアへ119psの2基目が追加される、四輪駆動も選べる。車重は、シングルモーターのロングレンジで1917kg。2.0tを切るのは、同クラスのEVでは珍しい。

トヨタ C-HR+ デザイン(英国仕様)
トヨタ C-HR+ デザイン(英国仕様)

スタイリングもbZ4Xと雰囲気は近く、ハンマーヘッド・フロントマスクを採用。ヘッドライトは切れ長で、彫刻的なラインがボディサイドを彩る。ルーフラインはクーペのように傾斜し、リアのドアハンドルはピラーと一体になっている。

樹脂製トリムがボディ下部やホイールアーチを覆うが、面積は小さく、印象は都会派クロスオーバー。塗装は試乗車のグレーより、メタリック・レッドの方が似合うだろう。

地味でも人間工学へ基づいたインテリア

インテリアは派手さがないものの、製造品質は高く、人間工学へ基づいたデザイン。トヨタへ通じる、美点といえる。ダッシュボードなど目につく領域には、傷つきにくく掃除しやすい、ソフトパッドが貼られている。

マイクロスエードやプラスティック、レザー、クロスなど、車内は基本的にグレー。地味な見た目で高級感があるとはいえず、ドアハンドルやアームレスト下の収納ボックスなどは、若干安っぽいかもしれない。トヨタだから、耐久性は期待したい部分だ。

トヨタ C-HR+ デザイン(英国仕様)
トヨタ C-HR+ デザイン(英国仕様)

大きなモニターパネルの下部には、エアコン用のダイヤルや物理スイッチが複数並び、タッチモニター中心のインターフェイスではないことに好感が持てる。ドアミラーは従来的なスイッチで角度調整し、ドライブモードもロータリーダイヤルで選べる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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