ボルボXC90 T8 AWD インスクリプション

公開 : 2016.04.20 23:50  更新 : 2017.05.29 19:08

となると、後輪のモーターを動かすためのリチウム・イオン・バッテリーの置き場所が問題になるが、XC90では室内のセンタートンネルの位置にそれを縦長に配置している。こうすることで、室内や荷室空間をほとんど犠牲にしないで済むのに加えて、万一のクラッシュの際のバッテリーの損傷を最小限に抑え、安全を確保することができるという。

それらの結果XC90 T8は、3列目シートを備える7人乗りのキャビンを実現しつつ、充分なラゲッジ・スペースを確保することに成功している。ちなみに荷室容量は、3列目シート使用時で262ℓ、2列目使用時で640ℓ、最大で1816ℓとされる。

ボディ・サイズは、オプションの電子制御エア・サスペンションを装着した試乗車で全長4950×全幅1960×全高1760㎜、ホイールベース2985㎜、車重は標準状態で2320㎏、エアサス装着車で2340kg、サンルーフ付きはさらに20kgプラスと、立派な体躯を持つ。

さらにプライスも立派で、いずれも消費税込みで、ベーシックなT5 モメンタム が774万円、T5 R-デザインが879万円、T6が909万円なのに対して、ツインエンジンのプラグイン・ハイブリッドであるT8は1,009万円と、ついに大台を超えた。ちなみに、プレミアム・サウンド・オーディオとエアサスをオプション装着した試乗車は、1,084万円のクルマだった。

■どんな感じ?

エクステリア・デザインが先代と明確に変わったのと同様に、いかにも大型のSUVらしい高めのキャビンに収まると、室内の雰囲気がこれまでとちょっと違うことに気づく。ベーシックには北欧モダンな空気が漂うものの、従来のボルボと比べるとそこに若干装飾的な要素が加わった印象をうける。実はXC90のインテリアを手がけたのは、元ベントレーに在籍していたデザイナーだと聞くと、この変化、たしかに納得である。

XC90 T8は5種類+個人設定の、合計6種のドライブ・モードが選択可能だ。成田空港周辺を舞台にした試乗会ではまず、ピュア・モードで走り出した。他社のプラグイン・ハイブリッドの場合、EVモードと呼ばれることの多いパターンで、バッテリーの充電量が規定を満たしていることを条件に基本的に電気モーターだけを使って、125km/hまで出せる。

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