ボルボXC90 T8 AWD インスクリプション

公開 : 2016.04.20 23:50  更新 : 2017.05.29 19:08

今回はコーナリングを試せるセクションがなかったので、ハンドリングについて断言できることはないが、ボディが見切りのいいデザインを採用していることもあって、大柄なサイズを持て余すこともなく、市街地でもサイズのわりに取り回しがいいのではないかと思った。

■「買い」か?

全長5mのビッグ・サイズSUVを求める層が、そのクルマに何を期待するのか、正直なところ当方は明確な答えを持っていない。だが、例えばそこに強い押し出しを求めるとすると、XC90はちょっと違うような気がする。

そのエクステリアは、押し出しの強さよりも生活のツールとしての機能性をストレートに表現すると同時に、家族思いな乗り手のキャラクターを反映するような、ある種の優しさを連想させるデザインに仕上がっているからだ。

その一方でXC90は、前記の優れたパッケージングや豊富なドライブ・モードに加えて、右折時対向車検知機能や夜間を含む歩行者・サイクリスト検知機能付きオート・ブレーキを備える新シティ・セイフティなど、2つの世界初を含む14の先進安全技術を標準装備するなど、機能面で充実しているのは間違いない。

ただし、ステアリングにやや人工的なフィールを感じたことや、以前T6に試乗した際に、全車速追従機能付きアダプティブ・クルーズ・コントロールをオンにして走行中の、遅い前車の後方から解放されて設定速度に戻ろうとする際の加速がいささか急激であることを実感するなど、感覚的な部分にはもう一歩の洗練を望みたい部分も皆無とはいえない。

それにもうひとつ、対象がT8だと、1,000万円オーバーのプライスに抵抗を感じる向きもあるのではないか。その場合は、電気モーターによるアシストを望まずにT5やT6でよしとすれば、XC90自体は700万円台からラインナップされているのを思い出せばいいが。

いずれにせよ、新世代ボルボの第1弾として颯爽と登場してきたXC90は、大器の予感を充分に感じさせるクルマだった。そこがまさに「買い」、というわけだ。


ボルボXC90 T8 AWD インスクリプション

価格 10,090,000円
全長×全幅×全高 4950×1960×1760mm
ホイールベース 2985mm
乾燥重量 2320kg
パワーユニット 直列4気筒1968ccターボ+スーパーチャージャー /モーター
最高出力:エンジン 320ps/5700rpm
最大トルク:エンジン 40.8kg-m/2500-5400rpm
最高出力:モーター 34kW/2500rpm(前) 65kW/7000rpm(後)
最大トルク:モーター 16.3kg-m/0-2500rpm(前) 24.5kg-m/0-3000rpm(後)
ギアボックス 8速オートマティック
サスペンション ダブル・ウィッシュボーン / マルチリンク
ブレーキ 4輪ディスク
ホイール + タイヤ 9.0Jx12 + 275/40R21
燃費(JC08モード) 15.3



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