5代目プリウスと呼びたい内容 しかし通常のプリウスとの価格差は燃料代では埋められない

公開 : 2017.03.03 06:06  更新 : 2021.01.28 18:21

■「買い」か?

現行プリウスの登場では見た目は激変しているものの、設計的には正常進化。どちらが「先駆け」の名に相応しいかと言えば、やはりプリウスPHVだろう。個人的にはプリウスPHVを5代目プリウスとしたいくらいだ。とは言え、ラゲッジは先代同様に高床型であり、実用品として大きく進化したとも言い難い。

安全&運転支援機能はセーフティセンスPの最新型を採用するが、手応えレベルの車線維持支援など次世代を標榜できるほどでもない。スマホと連動したIT機能も突出したものではない…

で、価格を見ると悩ましいのである。ライン装着ナビを装備しないと完結しないコクピットなので、スタート価格はS”ナビパッケージ”の約367万円。同等装備を装着したプリウスのSとの価格差は約70万円。ちなみにプリウスの最上級グレードは約320万円のAプレミアム・ツーリングセレクションで、これに専用ナビ等々を装備すればS”ナビパッケージ”と同等価格である。

燃料代で70万円もの価格差を解消するのは不可能。実利よりEVの未来感が投資価値になるのは否定できない。EVモードでの高速動力性能を向上させたとはいえ、高速域で大きく航続距離を低下させるのはEVと同じ。まあ、HVを含む電動系車種は車両価格を含めた経済性で元が取れないのは今さらの話だが。

ただし、一昔前なら高性能自慢も今はエコ性能(技術)自慢に代わった世の中。プリウスPHVは内外装のデザインにしてもスペックにしても、EV走行の楽しみにしても、そういったプレミアム感を十分に得られるはずだ。

プリウスもエコプレミアムが重要な売り物のひとつであり、その同系上位車種と考えれば納得もできる。プリウスAプレミアム・ツーリングセレクション狙いなら、プリウスPHV S”ナビパッケージ”との比較は必須。例え充電設備の敷設を考えなくてもだ。


トヨタ・プリウスPHV S”ナビパッケージ”

価格 3,666,600円
全長×全幅×全高 4645×1760×1470mm
ホイールベース 2700mm
乾燥重量 1510kg
パワーユニット 直列4気筒1797cc + モーター
最高出力(エンジン) 98ps/5200rpm
最高出力(モーター) 14.5kg-m/3600rpm
最大トルク(エンジン) 72ps / 31ps
最大トルク(モーター) 16.6kg-m / 40kg-m
システム出力 122ps
ギアボックス 電気式無段変速
サスペンション ストラット/ ダブル・ウィッシュボーン
ブレーキ ベンチレーテッド・ディスク / ディスク
燃費(JC08モード・ハイブリッド) 37.2km/ℓ


▶ 海外初試乗 / トヨタ・プリウスPHV
▶ 国内初試乗 / トヨタ・プリウスPHV (プロトタイプ)

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