日産デュアリス、引き続き英国を制する? 1.6ディーゼルに試乗

公開 : 2017.06.21 11:10

走りの印象は、ちょっと退屈

デュアリスの乗り心地は必ずしも良いものではなかった。アクセルを踏み込むとそれなりに応えてはくれるが、それでも若干退屈なものであった。

今回のフェイスリフトでは、この落ち着いた物腰にテコ入れがされている。車重によるが、スプリングは5%から8%ソフトに設定され、一方で、フロントのアンチロールバーは操舵性を維持するために16%硬くなった。

ターゲットとする多くの購買層は、デュアリスのしなやかな乗り心地に概ね満足すると思うが、われわれは少し注文を付けたい。

特に硬いスプリングを装備したディーゼル車に顕著であるが、市街地において素早い取回しをした時に、無視できない不快感がともなう。それは、外部からの入力というよりも、騒音に起因するものだ。

「アクティブ・ライド・コントロール」も刷新されている。大きなギャップに直面した時に、ブレーキとエンジンが介入し、搭乗者への不快感を低減する。

さらに、遮音に関してもテコ入れがなされている。改善されたシーリングやドラッグを低減するサイド下方に装着されたフィンは、風切音やロードノイズを遮断する。

クロスオーバーということを鑑みればターンインは悪くない。しかし、安定性を崩すほどではないが、大きなロールはコーナリングを楽しむ事を絶望的にしている。

コーナーで踏み込むと、デュアリスはつかみどころのないキャラクターを示す。ハンドリングは、ファミリーハッチバックよりもアンダーステアの傾向が強い。

見直されたステアリングは、少し洗練に欠け、ノーマルモードでは軽すぎる。いっぽうスポーツモードでは、10%重くなり、操舵の一貫性や正確性において改善される。

エンジンの印象は?

変更を受けなかった、163psを発揮する、1.6ℓDIG-Tガソリンエンジン車は、2800rpm回してやらないと、まともな動力を得られない。しかし、その後はラグもなく、一貫してスムーズにデリバリーがなされる。6速マニュアル変速機のみの設定であるが、タフであり正確でもある。

130psを発揮する1.6ℓdCiディーゼル車も同時にテストした。ファインチューニングが施されたが、少々荒々しく、CVTを優れたオートマティックのように扱う「Xtronic」と組み合わされる。

お手頃でありポピュラーな109psを発揮する1.5 sCiは、エミッションの排出量を99g/kmに抑える。大人しくまとめた、114psを発生するエントリ-モデルの1.2ℓDIG-Tには手が付けられなかった。

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