現役引退間近 技術よりも「情」なパフォーマンスモデル一気乗り(前編)

公開 : 2017.09.09 20:10

AUTOCAR英国編集部のダン・プロッサーは、涙をぬぐいながら、ハイ・パフォーマンスカーへの最後のカーテンコールとして、テストドライブに駆りだしました。

もくじ

前編
それはまるで儚い夢のように
すべてが「笑い」 技術を凌駕
V8ヴァンテージ 男気と色気

後編
それはまるで儚い夢のように(9月10日公開予定)
すべてが「笑い」 技術を凌駕(9月10日公開予定)
メガーヌ含め「形あるものはいずれ土に」(9月10日公開予定)

それはまるで儚い夢のように

スタート直後の不機嫌そうにも聞こえるシューッという響き。その直後のブワァっという轟音が、どこか悲しく聞こえてしまう。

騒がしいノイズは、4500rpmを超えるとバルブが開くヴォグゾールVXR8 GTS-Rのエグゾーストからのものだ。聞き間違えのないようなV型8気筒エンジンが発する強烈な音は、もう最後になる。悲しいことに。

オーストラリアの自動車メーカーの現地生産終了に合わせて、ヴォグゾールが10年に渡って英国に輸出してきた、ホールデン・コモドアの生産も終了となる。

くわえてPSAグループの参加に入ることにより、この並外れたサルーンは早々に姿を消すだろう。

海外進出に失敗した企業のように、VXR8は機会を掴むことはできなかったが、悲しんでいても仕方ない。ヴォグゾールのスーパーサルーン、VXR8 GTS-Rはこのブランドで最強のモデルとなる。

大騒ぎしながらお別れするとしよう。

この他にも今年、われわれを楽しませてくれたクルマの何台かが姿を消すことになる。

モデルライフはVXR8より長かったものもあれば、短かったものもあるが、概ねそれらは秀でたパフォーマンスの持ち主だ。

その1台1台が悲しくさせる。VXR8以外は、今後数カ月で新しいモデルに置き換わるのが救いだ。しかし、フロントマスクは顕微鏡で見た昆虫のような、個性溢れたVXR8の生産が終了してしまうことが悲しいことに違いはない。とりわけGTS-Rは特別だ。

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