VW燃費不正問題の「その後」 どれくらい対応済み? 具体的な解決策は

公開 : 2018.01.27 18:40  更新 : 2018.01.27 18:49

ガソリン技術のパワーアップも注力

130psの1.5 TSIエボと命名されたガソリン・エンジンは既存のエンジンを改良したもので、燃費と排気を改善するため高価な先進技術が導入されている。

可変タービン・ジオメトリーを採用したターボチャージャーは、大量生産を前提としたガソリン・エンジンでは初の技術になり、12:1というこれまでにない高圧縮比に加えて特別なミラー・サイクル燃焼方式が適用されている。

これら3つの技術の組み合わせにより、最高クラスの燃費と、全回転域でのスムーズなパワーデリバリーが実現したようだ。

イギリスではこのエンジンを搭載したゴルフが発売される予定だが、より強力な160psバージョンが試作段階にある。

今後の展望として、水噴射と可変圧縮比でさらなるガソリン技術の向上を狙っている。

2種類のマイルド・ハイブリッド車

48V電気システムの実用化に伴い、今後数年間でマイルド・ハイブリッド車(MHEV)が標準になるだろう。

48V型ベルト駆動スターター・ジェネレーター(BISG)と小型で手頃な48Vリチウム・イオンバッテリーの組み合わせにより、他のハイブリッド車同様に電気エネルギーを回収して蓄えることができるようになる。

さらに、BISGはエンジン・トルクと燃費性能を向上させ、応答性も良くなる。

フォルクスワーゲンはゴルフ1.5 TSI MHEVとMHEVプラスというふたつのプロトタイプを開発中である。両モデルとも15psのBISGが装備されるが、プラスの方にはさらにフロント・アクスルを駆動する35psの電動モーターも搭載される。

このモーターはリア・アクスルにも配備できるので、低出力の全輪駆動に切り替えてトラクションを得られる。プラスは、エンジンを止めて惰性走行中にエネルギーを回収できるし、フル・ハイブリッド車のようにモーターのみで発進できるというメリットがある。

どちらのプロトタイプも、2003年に発売されたフォルクスワーゲン初のDSGと比較してCO2を10g/km削減できる新世代の7速DSGトランスミッションを搭載する。

マイルドハイブリッドのみならず、CNG(圧縮天然ガス)にまつわる開発も進んでいるとようだ。次項で見ていこう。

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