乗用車のように快適なガヤルド

第1日目 PM11:30/サン・オメール

430スクーデリアから乗り換えると、ガヤルドはほとんど普通の乗用車同然に感じられた。沿岸部の撮影場所からサン・オメールにあるホテルまで、狂ったように飛ばしたにもかかわらずだ。

スクーデリアに比べると明らかにボディが大きく、動きにキレがない。それだけでなく、ステアリングやブレーキのシャープさでも見劣りする。反面、快適性ではずいぶん上だ。

エグゾーストサウンドの豪快さと中速域の強烈なピックアップとは裏腹に、このガヤルドからはスクーデリアほどガムシャラな勢いが感じられない。それが、この2台を乗り比べたときにもっとも強く残る印象だ。

最後の2000rpmで爆発的にパワーを炸裂させるのがスクーデリアで、ガヤルドは格段に強い低回転域のトルクで車速を乗せていく。その違いもあって、ロードカーとしてはガヤルドのほうが、より穏やかで洗練されたクルマに感じられる。

ガヤルドで走ったサン・オメールまでのオートルート巡航は本当に快適だった。タイヤとエンジンのノイズがスクーデリアとは比べものにならないほど静かで、乗り心地も明らかに落ち着いている。

「総合的に見れば、1年365日のうちの300日はガヤルドのほうが優れたクルマだ」とでも言ったらいいだろうか。はるかに快適で、サウンドはより刺激的で、そしてたいていのシチュエーションでスクーデリアに負けず劣らずのセンセーショナルなドライビングが楽しめるのだから。

すべての画像をみる　全21枚