比較試乗 アストン マーティンV12ヴァンテージ vs ポルシェ911 GT2 後編

公開 : 2018.05.06 12:10

走り出すと印象が一変

アストンの始動手順、つまりダッシュボードのスロットにキーをまるごと挿入し、後ろからタイの国歌のような音が聞こえるなか3秒間それを押し続ける儀式を終え、そしてやっと耳に入ってきたV12が奏でるサウンドは、少々期待外れに感じられた(少なくともわたしにとってはそうだった)。

鼓膜を揺さぶる爆発的な始動音を期待していたのに聞こえたのは強めの咳払い程度の回転の高まりだけで、それさえすぐにアイドリングへと収束してしまう。アイドリング音もGT2のドロドロと迫力ある低音とは比較にならないくらいあっさりしていて、劇的な要素はまったくない。

ところが走り出すと、すべては好印象へと一変する。エンジンに負荷がかかるとエグゾーストサウンドは推定3倍に高まり、乗り心地は間違いなく硬いが決して途方もないほどではない。

ノーマルよりフロントが40%、リアが80%もスプリングが硬められているにもかかわらず、むしろ非常に快適とすら言える。さらにギアシフトの感触もDBSよりも軽く、ダイレクト感が増し、要するにはるかに上を行っている。

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