新型レクサスRX 450hLプレミア 試乗 欧州初の7人乗り 明確な強みに欠ける

公開 : 2018.06.21 10:10  更新 : 2018.06.21 10:38


タウンスピードなら洗練され快適

もし実用性の高いEV走行を求めるなら、プラグイン・ハイブリッドを搭載したボルボXC90 T8がかなり魅力的な存在になってくる。ただし、XC90 T8の場合、最も安価なモデルでも6万2570ポンド(938万円)となり、RX 450hLの最も高価なモデルライン、プレミア仕様よりさらに575ポンド(8万円)ほど高くなってしまうのだが。

電費は気にせず、思い切って右足を踏み込んでみると、V6エンジンは控えめな発電装置から、一気に荒々しい性格へと変化する。ただ、エンジン自体はCVTの制御下におかれている印象で、なにか緊急事態のような急加速時でも、回転数は34.2kg-mの最大トルクを発生する4600rpmの辺りを前後するだけだ。

ある程度ハイペースでの加速も可能だが、静かでリラックスした車内空間には、ガソリンエンジンが頑張るノイズが侵入してしまう。ただ、一度スピードが乗ってしまえば、サイドミラー付近からのわずかな風切り音以外は、落ち着いた静けさが戻ってくる。

今回のテスト車両、プレミアに装備されていたのは、20インチの大径アルミホイール。走行ノイズの発生はそれほど大きくなかったが、試乗したスイスの路面が非常に滑らかだったことも大きく影響しているだろう。

レクサスが、BMW X5ポルシェカイエンなどのSUVをライバルとして意識しているにもかかわらず、RX 450hLがダイナミクス性能で光る部分がないのは残念。アダプティブ・サスペンションを最も硬い設定にしても、高速コーナーでは大きめのロールが発生してしまい、ボディサイズを意識せずにはいられない。

またステアリングもそれほど情報量が豊かというわけでもない。このクルマの性格としては、ハイペースでのスポーティな走行は視野にないのだろう。落ち着いて、気楽に運転するスタイルが向いている。そうすれば、非常に洗練され、快適なドライビングを味わうことができる。

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