新型プジョー508 フランス巡る旅 フレンチサルーンへの愛は変わらず

公開 : 2018.10.06 10:10

ノイズは問題無し シフトも素晴らしく

D1508を走っていると、なぜこの古くからの道がこのようなルートを通ることになったのかが直ぐに理解できるだろう。われわれの旅は、このD1508の最南西端から始まることになるが、この道はときおり両側に岩肌が積み上がり、平らな谷底を縫うように続いている。どんなクルマにとっても険しすぎる、自然が創り出したこの険しい岩山に穿たれた道を思えば、かつてこの道を造ったひとびとは、その作業の困難さゆえに自身の幸運を信じるしかなかったに違いない。

D1508はフランスでは時おり遭遇する滑らかな路面の素晴らしい道路であり、新型508を含めた最近のプジョー独特の低く設置された小径ステアリングホイールでも、無理なハンドル操作を強いられることなく、メーター越しの完ぺきな視界を楽しむことができた。滑らかな路面では、508の抑制されたロードノイズを、例えばアウディといったようなモデルと比べることは出来なかったが、その機会は直ぐにオートルートで巡ってきた。どちらの路面でも、130~145km/h程度の速度では、フレームレスドアに起因するウインドノイズが気になるようなことはなかった。


われわれが乗っていたのはハイスペックなGTモデルだったが、左ハンドルのフランス市場向けであり、英国に導入される508とは異なる仕様だった。この車両が積んでいたのは、224psを発揮するプジョー謹製の1.6ℓ4気筒ダウンサイズエンジンであり、標準の8速オートマティックギアボックスと組み合わされていた。コーナーと直線でマニュアルシフトとオートシフトを切り替えてみたが、直ぐにオートシフトがいかに上手く調整されているかが明らかとなった。

マニュアルシフトでは、ときおり小排気量エンジンゆえの低回転域での力不足を感じることになる。つまり、つねにオートモードを選択しておく方が賢明だということだ。かすかにギアチェンジの音は聞こえてくるものの、ショックを感じることはほとんどなかった。さらに、1.6ℓエンジンではとくにそうだが、エンジン回転数を見て、その低さに驚かされることになるだろう。

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