新型BMW 3シリーズ M340i xドライブ プロトタイプをサーキット初試乗  本物のドライバーズカー

公開 : 2018.12.19 10:10

どんな感じ?

四輪駆動ながら運転が楽しい

374psと51.0kg-mを発揮する改良型B58エンジンを積むM340iでは、Mスポーツサスペンションとステアリング、さらにはブレーキとともに、パワーで劣る330iと330dではオプションとなる電子制御式リアディフェレンシャルが標準となる。

BMWが新たに開発した車高対応型ダンパーが標準となるが、アダプティブMスポーツサスペンションもオプションで選択可能だ。プロトタイプにはMスポーツサスペンションが装着されていたものの、今回の試乗はポルトガルにあるポルティマンのサーキットに限定されており、このアダプティブダンパーがもたらす乗り心地についての評価は次の機会を待つ必要がある。

一方で気になるのはタイヤ選択だ。BMW UKは未だこのG20世代の3シリーズでランフラットタイヤを履くことになるホイールとサスペンションの組み合わせを明らかにしていないが、近年3シリーズでは大径ホイールを履くMスポーツモデルにランフラットタイヤを、Mパフォーマンスモデルでは非ランフラットタイヤを選ぶ傾向がある。今回テストしたプロトタイプが履いていたのはミシュラン・パイロットスポーツ 4Sだった。


M340iでは可変レシオを持つステアリングシステムを採用しているが、先代3シリーズに比べ、その存在はあまり気にならず、フィールも一定に感じられた。さらに、ますますダイレクトになるステアリングレシオに対応しつつも、オーバーアシストな様子はほとんどなく、ドライバーはフロントタイヤのグリップをステアリングから十分感じとることができ、タイトなコーナーでも安心して、直観的且つ自然にステアリング操作を行うことができる。

サーキットでは、3シリーズ伝統の優れたコーナリングバランスによって、先代340iのようにパワフルで純粋なリア駆動モデルよりも、ターンインでは安定した挙動を示す。中速コーナーでは、ステアリングを1/4ほど切ってからアクセルを踏み込むとライン取りは自由自在であり、少なくともコーナー出口で同じ量のカウンターステアを当てる程度であれば、その巨大なトルクも、xドライブシステムを持つリアがしっかりと受け止める。

現代の四輪駆動モデルにもフロントへのトルク伝達が急激に増えたように感じられるクルマもあるなかで、M340iは50:50を越えても、そうしたフィールを感じさせることはない。4WDであるかどうかにかかわらず、まさにこうしたすべてがM340iをドリフトをも楽しむことのできるモデルにしている。

BMWが行ったエンジンラインナップの見直しにより、このクルマが積むストレート6に課された使命はより明確になった。そして、まさにその狙い通りのエンジンとして、M340iのスムーズな加速性能に不満を覚えることなどほとんどないだろう。

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