内装　★★★★★★★★☆☆

既存モデルと乗り比べれば、ドライビングポジションがやや高くなっていることや、キャビンの広さを稼ごうとしていることに気づくはずだ。とはいえ、その差は極めて小さく、まるで高級サルーンと典型的SUVの中間を思わせるフィーリングに変わりはない。

しかしながら、親近感はあるものの、同時に目新しい豪華さや高級感あるデザイン、マテリアルそのものの高い質感も明らかだ。電気メッキされたクロームの装飾、こぎれいにまとめられたスイッチ類、見目麗しいトリムや独創的な形状のアイテムなど、これまでBMWの大型モデルに見られた以上に野心的な高級車のキャビンが構築されている。ある面で控え目さは薄らいでいるが、これは明らかに、レンジローバー・ヴェラールやアウディQ7のハイエンドモデルに見られるきらびやかさに魅力を感じるひとびとに目を向けさせようとしたものだ。

X5のキャビンは、やり過ぎることなしに、それらライバルの域に達しなければならない。テスト車であるMスポーツ仕様では、クロームとアルミニウム・テトラゴンと呼ばれるトリムによって、圧倒的に高価そうな雰囲気が演出されている。それが見られるのは、痛快なまでに整然としたダッシュボードとセンターコンソールだ。暗くなれば、アンビエントライトが上級モデルらしさを醸し出す。カスタムプログラムのBMWインディヴィジュアルに設定されるメリノレザーシートが見せるクオリティは、豪華でスペシャルなもの。ワイドな画面を用いたインフォテイメントディスプレーと計器盤は、テクノロジー的な華やかさを主張する。

2列目シートは、成人が、体格が大きくても小さくても十分に座れる余裕を持つが、背の高いひとでは、ややサポート性に欠けるクッションから太ももが浮くと感じるかもしれない。チャイルドシートを固定するIsofixアンカーは、アウディQ7と異なり左右にしか付かないので、中には不足を覚えるユーザーもいるだろう。7人乗りレイアウトは有償オプションで、3列目への乗降性を高める2列目の電動フォールド機構がセットとなるが、今回は5座仕様だったため、その実効性を確かめることはできなかった。

荷室容量は500ℓから650ℓへ拡大。十分に広いが、ランドローバー・ディスカバリーやアウディQ7、ボルボXC90には及ばない。ただし、上下分割式のテールゲートは使いやすい。大きな荷物を積む際には、下側を開けたままにすることもでき、その場合も上側のハッチバックは電動で開閉する。

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