想像以上の晩成型スーパースター 20選 前編 VWビートル 日産GT-Rほか

公開 : 2019.05.06 05:50  更新 : 2021.03.05 21:42

フォルクスワーゲンビートル(1938年)

初代のリアエンジン・レイアウトのフォルクスワーゲン・ビートルは、自動車を象徴するモデルだといえる。1960年代にはアメリカの自動車文化にも多大な影響を及ぼすようになり、そのシンプルなデザインと設計は、自動車のマスターピースとして今でも高く評価されている。しかし当初、一部の自動車業界の上層部には、良い見方をしていないひとも存在していた。

ドイツ・ヴォルフスブルクにあったフォルクスワーゲン社の工場は、第二次世界大戦終了時には英国の占領下に置かれた。1945年、英国の自動車製造で名を馳せていたウィリアムズ・ルーツは、ビートルの製造をしていたヴォルフスブルクの先進的な工場を訪れると、破壊するべきという意向を示した。ルーツが率いるメンバーも、ビートルの設計を望ましいとは考えていなかったのだ。

「ビートルは、自動車の基本的な技術要求を満たしていません」 ルーツは、戦前にナチス・ドイツが設計したクルマを、取るに足らないものだと判断。その後英国政府は1948年にフォードへと工場を譲り、すべてを一掃するように働きかけた。フォードの会長を努めていたアーネスト・R・ブリーチも、「私はここにまったく価値を見出すことができません、フォード」 とエンリー・フォード2世へ説いたのだった。

しかしビートルは生き残り、今日、フォルクスワーゲンとそのグループは、世界最大の自動車メーカーにまで成長。2018年には年間1080万台のクルマを生産するにまで至っている。

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