安くて楽しい クルマ好きも納得? スポーティな格安中古車、不人気車ねらい目

公開 : 2019.06.11 19:10  更新 : 2021.10.22 10:18

運転が楽しい 低価格中古車の真打ち

先代トヨタヴィッツ1.5RS(2010年式/50万円前後)

トヨタ・ヴィッツは現行型が3代目だが、最も商品力が高いのは、先代型の2代目になる。

2代目は初代の特徴を受け継ぎながら、内装、走行性能、さらに乗り心地やノイズまで、質感をミドルサイズ並みに高めた。

逆に注意したいのは現行型だ。2010年の登場だから、開発中にリーマンショックの影響を受けてしまい、コストを低減したから内外装やノイズに質の低さを感じる。

現行型の発売当初、販売店のセールスマンは「これでは2代目のお客様に、乗り替えの提案ができない」と頭を抱えていた。その後に数回の改良を行い、今の新車はどうにかマトモになったが、中古車には質の低い車両も残っている。特に3気筒の1ℓは、動力性能、ノイズ、さらに乗り心地も良くない。

この点を含めると、先代ヴィッツ1.5RSに注目したい。パワフルで機敏に良く曲がる。現行型が発売される直前の2010年に初度登録を受けた車両が良い。9年落ちで、走行距離が5〜6万kmの車両が50万円前後で販売される。1.3ℓのRSなら35〜40万円だ。

1990年頃までに製造されたクルマは、10年を経過すると劣化が目立ったが、2000年代以降は輸入車を含めて耐久性を高めた。2010年式のヴィッツも安心して使えるだろう。

スズキスイフト1.2RS(2012年式/60〜70万円)

走りの良さで選ぶならスズキ・スイフトスポーツだが、中古車価格が高い。先代型の7年落ちで、走行距離が7万kmくらいの車両が90〜100万円だ。

そこで1.2ℓのノーマルエンジンを搭載したRSを検討したい。RSは元々欧州仕様の足まわりを組み込んだ特別仕様車で、走りの素性は抜群に良い。5速MTも選べる。これなら7年落ちで走行距離が3万km前後の車両が60〜70万円だ。

ベーシックなGなら、7年落ち/3万km前後で、40万円くらいに下がる。

スズキ・スプラッシュ(2012年式/50〜60万円)

クルマ好きに注目して欲しいのがスズキ・スプラッシュだ。地味なコンパクトカーだが、ハンガリー製の輸入車で、足まわりも欧州仕様の設定になる。乗り心地は日本車では硬いが、機敏に曲がり、いかにも欧州のベーシックカーという印象だ。7年落ちで3万km前後の車両が50〜60万円だから、あまり安くはないが商品力は高い。

ホンダフィット1.5RS(2012年式/80〜100万円)

ホンダ・フィットは先代型でも1.5ℓのRSだと少し高い。先代型の7年落ちで、4万km程度の車両が80〜100万円だ。スイフトスポーツに近い。またRSは全般的に走行距離が長いのも気になる。

ただしフィットはボディサイズの割に後席や荷室が広く、1.5ℓなら動力性能にも余裕がある。運転を楽しめて、なおかつファミリーカーとして使える実用性も備えるから、この価格でも割高ではないだろう。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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