ジーリー 驚くべき成長物語 世界トップ10は目前 ロータスの今後も

公開 : 2019.08.03 18:50

CMAとLynk & Co

ボルボでは、複数の車種で共用可能なフレキシブルなプラットフォーム、SPA(Scalable Product Architecture:スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ)を開発し、60と70、80、さらには90シリーズという全ラインナップの新型モデルに採用するとともに、複雑化していたパワートレインをよりシンプルなものとすべく、大排気量エンジンを廃止し、パフォーマンス向上のためのハイブリッド化も可能な、3気筒と4気筒ユニットを新たに導入することを決議している。

SPAを採用した初のモデルとなる新型XC90の2014年の発売を待たず、販売は回復傾向を示し始めており、昨年には2009年度実績の約2倍となる販売台数を達成しているが、これには国内生産を行っている中国市場が大きな役割を果たしている。

だが、SPAはジーリー向けとしてはコストが掛かり過ぎていたために、2013年、ジーリー・オートとボルボはCEVT(China Euro Vehicle Technology:チャイナ・ユーロ・ビークル・テクノロジー)というジョイントベンチャーを設立し、ボルボの小型モデル向けプラットフォームとなるCMA(Compact Modular Architecture:コンパクト・モジュラー・アーキテクチャ)を開発しているが、CMAは当初の予定どおり、ジーリーでも採用されることになるだろう・・・

2003年以降、ジーリーではロシアや中東、さらには南米といった世界中で、車両輸出と販売を行っているが、まだ、EUと北米への上陸は果たせておらず、それに相応しいモデルも創り出せていなかった。


CMAによって、ジーリーからもプレミアムなフィールを感じさせるモデルが登場するかと思われたが、こうした市場に受け入れられるモデルを生み出すべく、彼らは新ブランドの設立という方法を選んでいる。

それがLynk & Coであり、イェーテボリに本社を置いて、マーケティングは中国で行うという体制は、欧州との繋がりという意味で大きな役割を果たす一方で、中国で生産を行うことで、非常に魅力的なプライスを実現することにも成功している。

Lynk & Coは欧州と北米での展開が予定されており、プラグイン・ハイブリッドとEVだけで構成されるラインナップは、すべてサブスクリプション方式のリース契約で販売されることになる。

だが、中国では従来型のモデルラインナップと販売方式が採用されており、初期のモデルはすべてが内燃機関を積んで、ディーラー経由で販売されている。

昨年の中国における販売実績は12万414台というものであり、ジーリー・オートが初めて生産台数150万台の壁を突破する原動力ともなっている。

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