試乗 日産リーフe+ 62kWhバッテリーに217psモーター 手強いライバル登場が迫る

公開 : 2019.07.23 10:10

どんな感じ?

多少パワーを楽しんでも320kmに届く航続距離

大容量のバッテリーを搭載したリーフe+だが、メリットとデメリットが存在している。バッテリーとモーターのアップグレードは明確に効果を体験できる。同程度の変更が内燃エンジンに与えられたときよりも、その変化はわかりやすい。

まずは良い点から見ていこう。パワーが増強されたことは、アクセルを踏み始めた瞬間からわかる。日産によれば、0-100km/h加速に要する時間は7.3秒だとしているが、これはBMW i3と同じ数字。ただし、ひときわ活発なヒュンダイ・コナ・エレクトリックには及んではいない。特徴的なのが、力強さが高速域まで変わらないことで、110km/hを超えてからの加速にも充分パンチ力がある。

バッテリーの容量増加に伴い、航続距離も大幅に伸びている。鋭くなったスタートダッシュを楽しんでも、残りの航続距離の数字を見れば、罪悪感や後悔はさほど感じなくて済むだろう。今回の試乗時間ではバッテリーを空にするまで走行できなかったものの、比較的右足を活発に動かしていたのにも関わらず、表示によれば320km以上の航続距離は疑いようがなさそうだ。

ただし、ヒュンダイ・コナ・エレクトリックと同様に、モーターのパワーとトルクがここまで増強されると、スタートダッシュ時にシャシー掛かる負荷はかなり大きなものになる。日産はリーフe+のサスペンションの設定を改めてはいるが、大きくステアリングを切った状態で発進しようとすると、トラクション・コントロールが盛大に介入してくる。

結果としてステアリングホイールには振動が伝わり、トラクション・コントロールをオフにすると、起伏の大きい舗装路では、簡単にグリップを失ってしまう。だが、追い越し加速や高速道路への合流時など、短時間の瞬発力という面では、多くのユーザーにとってメリットになる。

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