新旧ベントレー比較試乗 EXP2 vs ベンテイガ 伝統はいまも変わらず 

公開 : 2019.08.04 11:50

番外編2:モータースポーツのベントレー

悲惨な結果に終わった1922年のインディ500参戦を除いて、この年初めてファクトリーチームとしてレースに参戦して以来、ベントレーのモータースポーツ活動のなかで脈々と受け継がれているものがひとつあるとすれば、総合優勝のチャンスがないレースには、決してエントリーをしてこなかったということだ。クラス優勝などベントレーの求めるものではない。

スペースの関係で、戦前のル・マン勝利の詳細は割愛させて頂くが、ベントレーによって、英国はモータースポーツの世界に確固たる地位を確立することができたのだ。

だが、一旦成功を収めると、ロールス・ロイスがベントレーを買収し、その後はご存知のとおりであり、ベントレーのファクトリーチームが活動を再開するまでに70年もの月日が流れていた。

その復活の舞台となったのは、ふたたびル・マンだったが、今回その賛成費用を負担したのはフォルクスワーゲンだった。


ル・マン史上、最長の走行距離と最小のピット時間を達成した、2003年の記録的な勝利によって、3年にわたったプログラムも終了を迎えている。

100周年を祝うはずだった新たなプロトタイプも、ディーゼルゲートの余波を受けてお蔵入りとなっており、いまはコンチネンタルGTがGT3クラスで活躍しているが、このクルマの中を見てみれば、点滅するスクリーンや列をなす数多くの操作スイッチに紛れて、パドルシフトとインナードアハンドルがミュルザンヌのものであることに気が付くだろう。

いまも、正しいやり方というのがベントレーにとっての重要事項であり続けているのだ。

この伝統がこれからも続きますように。

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