250ps 4気筒ターボにポールスター製ソフト ボルボXC40 T5 AWD Rデザイン 試乗

公開 : 2019.08.20 09:50

スカンジナビア製のコンパクトSUVに、これまでで最強となるガソリンエンジン版が追加されました。加えてポールスターから、新しいアップグレード・ソフトウェアのインストールも可能となり、クルマとしての魅力を強めています。英国で評価しました。

250psの最高出力にポールスター製ソフト

ボルボの最もコンパクトなSUVが、2019年版として標準装備の見直しとともに安全性能も引き上げられた。ボルボでは2番手人気に付ける売れ筋モデルで、2019年上半期だけでも3万2000台以上を販売している。ちなみに1番人気はXC60。あまりの人気で、英国での需要に対して充分な供給がないほど。

表立って目立った変化はないながら、テールゲートには英国では見慣れないエンブレムが追加されている。それはT5。モデルラインナップとしては、最も強力なガソリンエンジンを搭載していることを示している。搭載される2.0Lの4気筒ターボは、250psの最高出力と35.6kg-mの最大トルクを発生する。少し重めの1650kgほどの車重を持つSUVを、6.5秒で静止状態から100km/hまで加速させることが可能となった。

ボルボXC40 T5 AWD Rデザイン・プロ
ボルボXC40 T5 AWD Rデザイン・プロ

もうひとつの変更はポールスター。これまでボルボのポールスターといえば、ハイパフォーマンス・グレードを示すブランド名だった。しかし今は独自のEVブランドとして歩み始めており、ハイブリッドのスーパークーペ、ポールスター1のリリースも近づいてきた。先月の、プロトタイプの試乗レポートに目を通していただいた読者もいるだろう。

かといって、ポールスターがボルボの人気モデルに、ワンランク上の興奮を与える余裕がなくなったわけではない。ポールスター・エンジニアードと呼ばれるソフトウエアのアップグレードを、今回提供してくれることになった。XC40のほか、S60やS90、V60V90の4輪駆動版でインストールできる。

メーカー公認のコンピューターチューン

英国仕様では、基本的にはドライビングモードの「ダイナミック」を上書きし、リアタイヤへ伝達されるトルクの割合を増やすことで、スポーティなドライビングが味わえるようになるというもの。スロットルレスポンスもシャープになり、8速ATは、エンジンの回転数が高い状態でもシフトアップされずにホールドする時間が長くなる。

このオプションは745ポンド(10万円)で、車両購入後にディーラーで対応してもらうことも可能。ちなみに日本の場合は、わずかだが最高出力・最大トルクの増強も得られる。クルマの保証期間などにも変更はない。

ボルボXC40 T5 AWD Rデザイン・プロ
ボルボXC40 T5 AWD Rデザイン・プロ

また今回の試乗車にはボルボ自慢の安全・運転支援機能「インテリセーフ・プロ」も搭載されていた。ブラインドスポット・モニターの検知によるステアリング支援機能も追加され、クルマの進行方向に衝突や接触の可能性がある場合、回避するためのステアリング操作が入る。

これらのオプションを含めると、クルマの価格は4万2880ポンド(557万円)にまで上がってしまう。ここまで来ると、レンジローバー・イヴォークやアウディQ3の価格帯に届くことになる。エクステリアデザインは個人の好みも大きいが、おしゃれなスカンジナビアン・デザインをまとうXC40と負けないくらい、レンジローバー・イヴォークのエクステリアデザインも魅力的だと思う。

XC40のRデザイン・グレードの場合、20インチの大径ホイールに引き締められたサスペンションが組み合わされるが、コンフォート・ドライブモードでの洗練性やしなやかさは変わらない。英国仕様の場合、ポールスター版ソフトウエアを味わえるのはダイナミックモードのみで、インストール後はポールスターモードへと名前も変更される。

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