素晴らしいの一言 アストン マーティン・ヴァンテージ・マニュアルに試乗

公開 : 2019.11.19 09:50

ドライビングへの関与が高まり、メルセデスAMG製のV8エンジンとの直結感が得られるMTミッション。ヴァンテージの魅力を一層引き立たたせたと称える英国編集部。ドイツ郊外の一般道で評価しました。

もくじ

AMG製4.0L V8ツインターボに初のMT
機械的変更で70kgの軽量化
引き締められたサスペンション
V8エンジンをダイレクトに味わえる
ヴァンテージに求められる真の姿
アストン マーティン・ヴァンテージ・マニュアルのスペック

AMG製4.0L V8ツインターボに初のMT

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新しいアストン マーティン・ヴァンテージが発表されたのは2017年。トランスミッション・トンネルの前方に空間があまり残されていなかったことが、取材に来ていた記者の関心を集めた。

「マニュアルのシフトノブはどこに取り付けるのでしょうか?」 質問が飛ぶ中、経営トップのアンディ・パーマーの答えは「はい」でも「いいえ」でもない、とても微妙なものだった。

アストン マーティン・ヴァンテージ・マニュアル
アストン マーティン・ヴァンテージ・マニュアル

発言の行間から汲み取るに、アストン マーティンはヴァンテージへ当初MTを採用する計画はなく、どこかの時点で対応することになったのではないだろうか。パーマーの回答に対して、アストン マーティンの広報チームは特に慌てる様子もなかった。

それから2年後、MT版のヴァンテージがやってきた。まずはヴァンテージの概要と、これまでのATモデルとの違いを確認してみよう。

もちろんトランスミッションはZF社製の8速ATから換装されている。搭載されるグラジアーノ社製の7速マニュアルは、以前のヴァンテージV12 Sに採用されていたものと同じ。

メルセデスAMG製の4.0L V8ツインターボエンジンにMTが組み合わされるのは初めて。ATからMTへ載せ替えることで、最大トルクが犠牲になっている。

トランスミッションを保護するために、ATで69.6kg-mある最大トルクは、63.6kg-mに抑えられた。1速と2速ではさらに制限が掛かるが、トラックモードを選択すれば63.6kg-mを引き出せるという。最高出力は510psで変わらない。

機械的変更で70kgの軽量化

ATモデルに搭載されるクラッチベースのトルクベクタリング機能付きアクティブEデフは、コンベンショナルな機械式リミテッド・スリップデフに変更。これらの機械的変化で車重は70kgもATモデルより軽くなっている。

前後の重量配分も変化。われわれが昨年テストしたATモデルの場合、49:51でややリアの方が重かったが、MTではフロントに掛かる重さの方が増えているという。

アストン マーティン・ヴァンテージ・マニュアル
アストン マーティン・ヴァンテージ・マニュアル

サスペンションも最適化されている。リアは、スプリングレートがやや下げられる一方で、アンチロールバーは若干強化。ダンパーもフロントとリアともに、手が加えられた。

電動パワーステアリングのソフトも書き換えられ、ヒール&トウでの変速が可能なように、ブレーキブースターも調整を受けている。そこまで積極的に操作したくない場合でも、シフトダウン時にエンジンの回転数を合わせてくれるレブマッチング機能が付く。

アストン マーティンのチーフエンジニア、マット・ベッカーは、サスペンションのチューニングによって、ドライバーがより遊べるヴァンテージになったと話している。実際に全力で遊ぶには、サーキットへ行く必要はあるけれど。

今回はドイツ郊外の狭い一般道での試乗となった。だが、コンパクトなアストン マーティンは、トラクション・コントロールを効かせた状態でも、間違いなくエネルギッシュなクルマだった。

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