【低燃費タイヤ】ミシュラン・エナジーセイバー4 ウエット性能/静粛性 さらなる向上めざす

公開 : 2019.12.12 10:50  更新 : 2021.10.11 09:29

グリーンタイヤのパイオニアといえるミシュランから新型低燃費タイヤ「エナジーセイバー4」が発表されました。ウエット性能と燃費性能、静粛性の向上をめざしたと同社はいいます。23サイズが用意されています。

グリーンタイヤのパイオニア

text & photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

今では当たり前になった低燃費タイヤ(グリーンタイヤ)をミシュランは1993年にMXGSを送り出して以来磨き上げ進化を遂げてきた。

現在エナジーセイバー+(プラス)が販売中だが、より安心してドライブできる低燃費タイヤとして進化させた第4世代として送り出されたのがエナジーセイバー4である。

エナジーセイバー4
エナジーセイバー4

ウエット性能と燃費性能

新型の開発にあたっては日本のカスタマーから寄せられた要望と、社会的変化に対応する形で進められた。あわせてユーザーの満足度No.1を目差すことも目標として掲げられたという。

前モデルのエナジーセイバー+はヨーロッパで開発されグローバルに展開されていたが、このエナジーセイバー4は日本で開発され日本を中心としたアジア・エリアで販売される。

エナジーセイバー4
エナジーセイバー4

技術テーマの1つが雨の日でも安心して走れるウエット・グリップ性能の向上で、低燃費タイヤにも求められる安全性能の確保に対応したもの。

タイヤのグリップと転がり抵抗は背反する性能だが、シリカを加えた新配合コンパウンドの採用によりウエット路面でのグリップ性能を向上させながら低燃費性能を確保している。

ちなみに前モデルとなるエナジーセイバー+に較べ、ウエット・ブレーキングでは制動距離を5.5%短縮したという。ラべリングにおけるウエット・グリップ性能はb〜cランクを実現した。

静粛性も向上めざす

技術テーマの2つめが静粛性を高めることだという。EVやハイブリッド車が増えるにつれ、今まで気にならなかったタイヤから発生するノイズが顕著になったことから、静粛性を高めることが課題とされた。

まずトレッドパターンを見直し、縦溝幅の見直しによりパターンノイズを低減させ、カーカスとトレッドゴムの間にアンダー・トレッドラバーを採用することによりパターンノイズは5%減、ロードノイズを9%低減することを実現した。

エナジーセイバー4
エナジーセイバー4

また転がり抵抗は静粛性でも出たアンダー・トレッドラバーにより、路面からの衝撃を減衰させて転がり抵抗を減じることにより燃費性能も高めている。

ちなみに転がり抵抗係数のラべリング評価では、AAランクが2サイズ、Aランクが20サイズと高い性能を獲得している。

23サイズを用意

エナジーセイバー4は軽自動車用の155/65R13からミディアム・クラス用の205/55R16までの23サイズが用意され、トレッド幅が145から205、タイヤ径で13〜16インチ、偏平率は50から80までをカバーし、ポピュラーなモデルをほぼカバーする。

またトレッドパターンはタイヤ幅195mm以上が3グルーブの4リブ・パターン、タイヤ幅195mm以下は2グルーブ、3リブ・パターンとなる。

エナジーセイバー4
エナジーセイバー4

また軽自動車用の5サイズのみはショルダー部分にスリップサイン・ハイライトが設けられている。

2020年2月より発売が予定されており、価格はオープンだが前モデルのエナジーセイバー+とほぼ同じ価格帯になるという。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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