【愛し続けて50年】ウーズレー4/44 すべての思い出が詰まったサルーン 後編

公開 : 2020.02.09 16:50  更新 : 2021.02.02 12:41

およそ50年前に購入したという個性的なウーズレー4/44。オーナーのスチュワート・ペインは、今でも日常の足として乗っています。運転免許を取って以来、すべての思い出が詰まっているという、英国紳士の愛車物語です。

必然的にアマチュアのメカニックに

text:Jon Pressnell(ジョン・プレスネル)
photo:Stewart Payne(スチュワート・ペイン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
スチュワートが50年近く所有するウーズレー4/44は、1974年にエンジンのリビルドを受けている。1990年には、新しいクロームメッキ・パーツやボディトリムを新調した。それ以外、ボディの細かな修理以外は、定期的なメンテナンスだけで3年前まで乗り越えて来たそうだ。

ウーズレー4/44にこだわる理由を聞いてみた。「他とは違うからだと思います。輝きは失っていましたが、控え目なエレガントさがありました。状態は悪かったので、仮に売りに出しても、お金にはならなかったでしょう。クラシックカーに興味は特にありません。このクルマが特別なのです」

ウーズレー4/44
ウーズレー4/44

だが、スチュワートの思い出話を聞くに、基本的なメカニズムの知識をしっかり理解していることがわかる。「必然的に、アマチュアのメカニックになった感じです。お金がなかったのに、クルマは必要でしたから」

「クルマの状態の把握は、ちゃんとできると思います。燃料ポンプからカチカチと音がしない時は、点検して軽く叩きます。フロートの針の目詰まりもしがちです。キャブレターを軽く突くだけで、解決することもあります」

「長年一緒にいるクルマですから、なにか故障したとしても、道端で対処したり直す自信はあります。ボンネットを開ければ、どんな構造なのかひと目で分かります。合理的な設計です。長時間を要する作業もありません」

残りの人生をウーズレーと楽しむ決意

3年前、ウーズレー4/44は全面的なレストアを受けた。「お願いした整備士は、至るところが傷んでいたので、どうやって新しい部品を溶接するべきか悩んでいました。そこで、今がちゃんとお金を投じる機会だと決心しました。ちょうどその時、わたしが癌を発症していると診断されたんです」

「このクルマが問題を抱えたまま他人へ渡る前に、しっかり成し遂げる必要があると考えました。錆びた金属の塊を、妻に残すわけにもいきませんからね。これまでの人生で初めて、ウーズレー4/44とわたしは、別々の時間を過ごすことになったんです」

ウーズレー4/44
ウーズレー4/44

レストアを担当した専門家のルーク・ウェルズは、新しいフロアパンとインナーフェンダー、サイドシルを組付け、全塗装を行った。ビンテージバイクに詳しい友人がエンジンのリビルドを受けてくれた。パブのオーナーでエンジニアの友人が、配線を引き直した。

「かなりバラされましたが、完全には分解されていません。まかなえる範囲で収めています。ボディは凹んだあとや擦り傷がそのまま。見た目はわたしの古いウーズレーのままです」 と話すスチュワート。内装のウッドパネルの修復なども行っていない。

今では、ウーズレー・レジスター&ウーズレー・オーナーズクラブのメンバーになったスチュワート。レストア以来、地元のミーティングやイベントでウーズレー4/44を出展するようになった。

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