【軽キャンピングカー】なぜ1車種だけが圧倒的人気なのか? スペース/スペックにライバルと差

公開 : 2020.02.24 05:50  更新 : 2021.07.27 14:44

登坂車線を使う頻度もかなり違う?

「ハイゼットバンは完全な貨物仕様なので、後部の方は内張がなく鉄板むき出しの部分があります。見た目がかなりチープです」(ユーズネットグループ会長井上政彦氏)

「走行性能もかなり違います。わたしはエブリイもハイゼットも長距離乗りますが、ターボ車ならいずれもストレスなくパワフルに走ります。ですがノンターボの場合、ハイゼットは全行程の1/2〜1/3は登坂車線を使っており、エブリイはほぼ、走行車線だけで行けます」

室内の広さも燃費も走行性能もすべて、エブリイが優れていると、株式会社岡モータース キャンピングカー事業部は評する。
室内の広さも燃費も走行性能もすべて、エブリイが優れていると、株式会社岡モータース キャンピングカー事業部は評する。

「燃費も5km/Lエブリイの方が良いです」

ユニークな軽キャンピングカーを多数ラインナップする株式会社岡モータースの「ミニチュアクルーズ」シリーズは全車エブリイだ。

「室内の広さも燃費も走行性能もすべて、エブリイが優っています。とくに、エブリイハイルーフの室内高1420mmは軽1BOX車ナンバーワンです」(株式会社岡モータース キャンピングカー事業部)

「現行エブリイ(バン6代目、ワゴン3代目)が出たのは2015年、ハイゼットとアトレーは2005年です。10年もの違いがありますから設計がかなり古いですね」

「また、エブリイは純正で車中泊仕様が作れるんですよ。ベッドボードや収納など、純正アクセサリー品が充実しています」

「メーカーがエブリイを車中泊車として使うことを応援している姿勢も良いですね」

それでもハイゼットバンを選ぶのはどんな人

エブリイの素晴らしさは良くわかる。しかし、それでも、少数ながらハイゼットバンを選ぶ人も存在する。

その理由は? 複数の会社に取材をした結果をまとめてみた。

軽1BOXといえばハイゼットだった

エブリイが新しくなる前、軽1BOXといえばハイゼットだった。当時の性能は圧倒的にハイゼットが上であった。

エブリイは2015年に新しくなってハイゼットと性能そのほか完全に逆転したが、高齢のお客様の中には、かつての「ハイゼットが良い!スズキはダメ」というイメージをそのまま引きずっている方も少なくない。

「販売するわたしたちも説得してみるが、なかなか考えを変えるまでには至ってない。こちらとしてはお客様が欲しいと言えばハイゼットを販売するしかないので……」

ハイゼット選ぶ人=トヨタ/ダイハツ関係者?

正直、ハイゼットを選ぶ人はトヨタやダイハツの関係者ではないかと思われる。

取引先がトヨタ関係だから、スズキのエンブレムを付けたクルマは乗り入れできない(駐車場が遠い)という理由もありのだろう。

キャンピングカーであっても、軽1BOX車の場合は、仕事や日常の足に使っている人が多いため、完全なレジャー仕様として割り切れないところがあるのでは?

リタイア後、夫婦ふたりでのんびり旅をしたいという人や、アウトドアの趣味を楽しむパートナーとして軽キャンパーの人気は年々、上昇している。

キャンプ専用ではなく、ふだんの足としても使う人がとても多いので、日常の使い勝手も考慮したベース車選びが必要と言えるだろう。

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