【2.0Lターボ級では最速】ルノー・メガーヌR.S.トロフィーR、筑波アタック 現地レポート

公開 : 2020.02.26 10:50  更新 : 2021.10.11 09:16

レーシングドライバーが語るトロフィーR

ご存じの人も多いように、市販FF車の現ニュル・タイムホルダーのメガーヌR.S.トロフィーRは、300psを発揮するトロフィーをベースに、遮音材や後席はもちろん、ツインクラッチ変速機(EDC)や四輪操舵(4コントロール)など、メガーヌR.S.のアイデンティティ技術まですべてを取り去って、ベース比130kgものダイエットを敢行した限定サーキットスペシャルである。

トロフィーRの開発では、日本国内でのテスト時に協力もしたという谷口選手はこう話す。

レーシングドライバーの谷口信輝選手。
レーシングドライバーの谷口信輝選手。

「『トロフィーRは4コントロールを外す』と最初に聞いたときは驚きました。僕は『絶対にあったほうがいい』という意見でした」

「クルマの『走る/曲がる/止まる』のうち、4コントロールは『曲がる』に関しては大いに助けてくれます」

「でも軽さは『走る』と『止まる』ではメリットがあるので、あとは『曲がる』を開発陣が頑張ればいい」

「サーキットなどでも走りがナーバスになるのは事実ですが、300psのクルマにとって130kgは絶大。今回はトロフィーRでしか走りませんでしたが、トロフィーより速いのは明白です」

「サーキットでのタイム短縮という目的には、そのほうがアドバンテージが大きいという判断だったのでしょう」

4コントロールの有無 どう考えるか?

谷口選手によるアタックの後、そのトロフィーRそのものと、ベースとなったカタログモデルのトロフィーの2台を試乗する機会も設けられた。

130kgのダイエット効果は、筆者でも走り出した瞬間にわかる。

130kgのダイエット効果は、走り出した瞬間にわかると筆者。
130kgのダイエット効果は、走り出した瞬間にわかると筆者。

これまではトロフィーの動力性能に不足を感じたことはなかったが、アクセルを踏むと弾かれたように加速して、ブレーキを踏むと首根っこをつかまれたように減速するトロフィーRは格別である。

まあ、ブレーキ性能については、今回の試乗車が特大径ブレーキを備える「カーボンセラミックパック」だったことを差し引くにしても、この絶品の制動性能にはウエイトの軽さもかなり効いているはずだ。

良くも悪くも底が見えないグリップ感の4コントロールに対して、伝統的なシャシー構成のトロフィーRはキッカケを与えると即座にテールを振り出す。

ただ、今回のようにタイム不問で振り回して遊ぶだけなら、正直なところトロフィーRのほうが動きがわかりやすく、楽しめたのは事実。

トロフィーの4コントロールはそのぶん、自分で所有して秘めたる可能性をじっくり引き出す楽しみはありそうだ。

ただ、個人的にはトロフィーRにあらためて後席や快適装備、静粛対策を再架装した「トロフィーRツーリングパック」みたいなクルマがほしいと思った。

それはメガーヌR.S.の商品企画としては本末転倒もいいところなのだが……。

記事に関わった人々

  • 佐野弘宗

    Hiromune Sano

    1968年生まれ。大学卒業後、ネコ・パブリッシング入社。カー・マガジン等で編集作業に携わるうちに3年遅れで入社してきた後藤比東至と運命的な出逢いを果たす。97年、2人でモンキープロダクションを設立するべく独立。現在はモータージャーナリストとして「週刊プレイボーイ」「AUTOCAR JAPAN」「○○のすべてシリーズ」他、多数の雑誌、ウェブ等で活躍中。

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