【静かで滑らかで力強い】ボルボXC60 B5へ試乗 マイルド・ハイブリッド

公開 : 2020.02.26 10:20

新しいマイルド・ハイブリッドを搭載したXC60。走行性能を向上させつつ、燃費や環境負荷は減らしたとボルボは主張します。今後20年間で電気自動車メーカーになると表明するボルボの新しい一歩を、英国で確かめました。

徐々に進められる電動化技術の導入

text:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ボルボは今後20年間で電気自動車メーカーになると表明している。英国や日本でまだ純EVをリリースしていないだけに、少し野心的な目標にも思える。

しかし、英国政府は2040年までにその計画が実行されることを期待しているだろう。政府としては、まだ何も動きはないのだが。

ボルボXC60 B5ガソリン AWD Rデザイン(英国仕様)
ボルボXC60 B5ガソリン AWD Rデザイン(英国仕様)

ディーゼルエンジンの排気ガス不正問題が騒がれて以降、電動化技術を搭載したいくつかのモデルを発表しているボルボ。ハイブリッドではない、ディーゼルエンジンを搭載した新モデルの発売はしていない。

さらにボルボは、数ヶ月前に純EVのXC40リチャージを発表。より多くのプラグイン・ハイブリッドとマイルドハイブリッド・モデルを展開し始めた。

ボルボの進める、漸進的に徐々に電動化技術を導入していくアプローチの方が、突然切り替えるよりも良いアイデアに思える。ユーザーが不便を感じないように、手順立ててくれているようだ。

XC60のマイルド・ハイブリッド版は、従来まで販売されていた、通常のエンジンモデルに置き換える形で登場した。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの両方が用意され、電圧48Vで稼働するスターター・ジェネレーターを採用するシステムだ。

荷室に搭載されたバッテリーは、ブレーキ時などで充電。加速時にエンジンをアシストしてくれる。駆動方式は前輪駆動と4輪駆動が選べる。

紛らわしいが、ガソリンでもディーゼルでも、マイルド・ハイブリッドにはB5という肩書が付く。B5の排気量は燃料に関係なくターボ過給の2.0L。トランスミッションは8速ATが組み合わされる。より出力の劣るディーゼルエンジンには、B4が付く。

滑らかで静かながら、力強い加速

今回試乗したのは、ガソリンエンジンのB5で4輪駆動。このパワートレインの組み合わせは非常に素晴らしい。ありきたりだが、滑らかで静か、という表現がピッタリだ。

静止時からの加速時も、巡航走行時も、スムーズで余計なノイズが無い。加速は鋭くリニア。もちろん、中間加速時も滑らかで静かだ。

ボルボXC60 B5ガソリン AWD Rデザイン(英国仕様)
ボルボXC60 B5ガソリン AWD Rデザイン(英国仕様)

このボディサイズと車重を考えれば、加速力は特筆に値する。マイルド・ハイブリッドがエンジンを加勢しているとはいえ、0-100km/hを6.5秒でこなす。スポーツカーの要素がないクルマにしては、素晴らしい力強さだ。

運転している限り、マイルド・ハイブリッドが動作しているかどうか、ほとんど感じ取れない。エンジンを静かに支援する、裏方に徹している。

唯一確認できるのが、計器パネルのモニターに表示されるインジケーター。減速時などで充電が始まると青く点灯し、エネルギー回収していることをドライバーに教えてくれる。

ボルボによれば、パフォーマンスは向上させつつ、環境負荷は減らし、燃費は最大で15%向上しているとのこと。しかし、新しいマイルド・ハイブリッドが効率的だとしても、大柄なボディを持つガソリンエンジンのXC60にとっては、小さな差でしかない。

試乗車のB5の場合、高速道路での長時間走行を含めて、試乗ルートで得た燃費は8.8km/L。ボルボが主張するほどの訴求力は得られていないと思う。

ディーゼルエンジンとマイルド・ハイブリッドの組み合わせの方が、はるかに優れた選択肢となるはず。そもそもディーゼルエンジンが備えるパワーと効率性の良さを、マイルド・ハイブリッドがさらに高めることを考えれば、悩むことはないだろう。

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