【低走行の和製スーパーカー】R35 GT-R、初代NSX いくらで落札? パリのオークションに登場

公開 : 2020.02.27 06:10  更新 : 2021.10.11 09:30

パリのオークションに、日産GT-R(R35)と初代NSXが出品。ヨーロッパではどのような評価だったのでしょう? いずれも低走行です。

GT-Rニスモ 欧州の評価

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:RMSotheby’s Auctions

フランスのクラシックカー・イベント「レトロモビル」の開催期間には、世界中から集まる愛好家を狙ったオークションが開かれる。

RMサザビーズ・パリ・オークションに2台の日本車が出品された。それは日産が誇るハイテク・スーパースポーツである日産R35 GT-Rと、ホンダ初のミドシップ・スーパーカーとして送り出された初代NSXである。

2017年モデルの日産GT-Rニスモ(R35)
2017年モデルの日産GT-Rニスモ(R35)

出品されたのは2017年モデルの日産GT-Rニスモ(R35)だった。ヨーロッパのコレクターズカー・オークションではほとんど姿を見せないクルマだけに、日本のファンとしてはその評価が気になるところだ。

このR35 GT-Rは新車でドイツのディーラーを経てスイスのヤングタイマー・コレクションに納められた左ハンドル版。日本でも人気の高いハイスペックのニスモ仕様であることがポイント。

走行距離わずか89km

コレクションカーに収められていたクルマだけに、走行距離は僅か89kmというデリバリー・マイル。新車といえるコンディションを保っていることから高額の落札が期待された。

ところが、オークションを終えてみれば予想落札額として発表されていた14〜16万ユーロのボトムで、日本での中古車相場と変わらない14万ユーロ(1694万円)で落札。

2017年モデルの日産GT-Rニスモ(R35)
2017年モデルの日産GT-Rニスモ(R35)

アメリカではすでにGT-Rというブランドが確立して広く認められているが、ヨーロッパでGT-Rの存在価値を高めてゆくのはこれからの仕事のようだ。

5081kmのNSX

RMサザビーズ・パリ・オークションに出品されたもう1台の日本車は、1991年ホンダNSXだった。

シルバーのNSXは、ホンダUKからパトリック・モーター・ミュージアムに納車された右ハンドル仕様で、ATの英国仕様。2001年にミュージアムから放出され、ポスターカー・コレクションに加わり現在に至るというヒストリーを持つ。

1991年ホンダNSX
1991年ホンダNSX

どちらの時代も展示されていることが多かったため、出品時の走行距離は僅か5081kmだった。

また、コレクションカーだったことが幸いして29年が経過していながら、極めてオリジナル度が高くコンディションも良かった。

割安な落札額のワケ

これだけ好条件が揃ったNSXはなかなか出ないため、高額落札を予想してしまうもの。

オークションが始まると最終的に予想落札額の5〜6万ユーロを上回る6万6125ユーロ(801万円)まで値を上げて終えた。

1991年ホンダNSX
1991年ホンダNSX

コンディションの良さを考えると安く感じる。ただ、ヨーロッパでは少数派となる右ハンドルでAT仕様だったことが足を引っ張ってしまったようだ。

ホンダというブランド力は高いだけに、MTで左ハンドル仕様であれば高額落札も可能だったに違いない。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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