ロードテスト ポルシェ718スパイダー ★★★★★★★★★☆

公開 : 2020.04.11 11:50

内装 ★★★★★★★★★☆

マカンあたりに比べれば、718スパイダーのインテリアは古ぼけて見えるほどではない。とはいえ、スマートでミニマルな992世代の911に並べると、2020年における最新ファッションでないことは明白だ。

ダッシュボード中央とセンターコンソールにあふれるボタンは、設計年次の古さを物語る。インフォテインメントディスプレイのグラフィックも、以前ほどシャープには思えなくなった。

GTスポーツステアリングホイールには、一切のスイッチ類が設置されていない。最新のクルマとしては、じつに珍しいことだ。
GTスポーツステアリングホイールには、一切のスイッチ類が設置されていない。最新のクルマとしては、じつに珍しいことだ。    LUC LACEY

ただし、そうした不満にいつまでもとらわれることはないはずだ。実際、ピッタリと包んでくれるキャビンに身を置くと、このクルマにふさわしい雰囲気はこれまでと同じものを感じる。

ポルシェらしく、マテリアルのクオリティは最上級。ふんだんに用いられたレザーやアルカンターラ、ポリッシュされた金属パネルが、インテリアの広範囲を覆っている。プラスティック剥き出しの部分は少ないが、どれも品質は安定して高い。

ドライビングポジションはドンピシャ。うれしくなるほどシンプルなGTステアリングホイールは手元に引き寄せられるし、アルカンターラ巻きの細いリムはモータースポーツ由来であることをプンプン匂わせる。

左肘を動かせる範囲は狭く、ほぼ相変わらず手触りのいいシフトレバーの真後ろのみ。オプションのカーボンバケットシートは胴体からヒップを優しく包み、安心感のある横方向のしっかりしたサポートをもたらしてくれる。シートバックは固定式だが、座面の高さは電動調整が可能で、背の低いドライバーでもスカットル越しに良好な視界を得られる。

カップホルダーやドアポケットは、室内にある程度の実用性を与えてくれるが、バッグなどの置き場はない。ボディの前に150L、後ろに120Lの容量を用意したラゲッジスペースに入れるしかない。

ただし、リアのトランクを開くには、ルーフの一部を取り外す必要がある。戸惑うほど難しいものではないが、使用頻度は下がるはずだ。そのルーフは、後部の固定を外すにはいったん車外へ出なければならない。ひとりでたためないこともないが、ふたり掛かりならずっと楽で確実に片付けられる。

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