【写真で振り返る】印象的なクルマのカラーリング ガルフ、マルティニ、レナウン、555

公開 : 2020.05.02 08:50  更新 : 2020.05.02 14:42

アラン・マンのフォード

ロータス・コルティナが白と緑のカラーで有名になったように、アラン・マン・レーシング・チームのフォード車も独特のカラーリングで人々の記憶に残っている。同チームから出走したGT40やエスコート、コルティナなどのクルマは、すべてゴールドと赤で塗りわけられていた。

アラン・マン(1936-2012)は航空会社を経営する片わら、1960年代から70年代にかけて自身のレーシング・チームを運営していた。しかしながら、なぜか彼は所有するヘリコプターを、サーキットで彼の名前を有名にした赤と金ではなく、黒、白、黄色で塗っていた。

アラン・マン・レーシングのフォード・エスコート
アラン・マン・レーシングのフォード・エスコート

アウディ・クワトロ

1980年に登場したアウディ・クワトロは、4WDでラリーの世界に衝撃を与えたのみならず、そのカラーリングでも鮮烈な印象を残した。様々なスポンサーのステッカーで飾り立てるのではなく、アウディはシンプルな白をベースに、赤、黒、グレーを組み合わせたストライプをボンネットやルーフ、Cピラーに施していたのだ。

このカラーリングは明らかに人目を引き、アウディの意図どおりクワトロという全輪駆動の宣伝にも確かな効果を発揮した。後にこのカラースキムはスポンサー・ロゴと組み合わせて用いられ、後期のラリーカーでは太いイエローのストライプがサイドに入れられた。しかし、当初の最も高潔なカラーリングは、1988年に米国のSCCAトランザム・シリーズを席巻した200クワトロ・トランザムのレースカーで復活した。

アウディ・クワトロ
アウディ・クワトロ

フォード・マスタングのハイランド・グリーン

映画『ブリット』のマスタングほど、1つのクルマに映画が多大な影響を及ぼしたことはあまりないだろう。スクリーンの中でこのクルマのステアリングを握った主演のスティーブ・マックィーンから、サンフランシスコで繰り広げられた見事なカーチェイスまで、あらゆる要素がマスタングに脚光を浴びさせた。その控えめなメタリック・グリーンのカラーが、また完璧に似合っていた。

映画が封切られると、すぐにハイランド・グリーンはマスタングの人気色となった。とはいえ、映画に登場するGT390ファストバックは希少なモデルだ。2001年、フォードは当時のマスタングをベースにブリットという限定モデルを設定し、このカラーを復活させる。2008年と2009年、そして2019年にも、ブリット・マスタングは発売されている。

映画『ブリット』に登場したフォード・マスタング
映画『ブリット』に登場したフォード・マスタング

BMW CSLのゲッサービール・カラー

オーストリアのゲッサービールがスポンサーを務め、アルピナが走らせたBMWのレースカーは、1976年の欧州ツーリングカー選手権で圧倒的な強さを誇った。鮮やかなグリーンにストライプを入れたカラーリングによって、このBMW3.0CSLはサーキットで最も目立つクルマでもあった。

最終的にBMWはポルシェに敵わなかったものの、ディーター・クエスターとロニー・ピーターソンが駆るCSLは、ファンの記憶に焼き付いている。シンプルなカラーリングと最小限に留めた文字は、テレビ映りを考慮したものだ。その一方で、仰々しく壮観な姿もサーキットでは目を引いた。

ゲッサービール・カラーのBMW3.0CSL
ゲッサービール・カラーのBMW3.0CSL

※ 記事初出時は英国版の原文通り「シュニッツァー」としていましたが、「アルピナ」の間違いです。読者・関係者の皆様にご迷惑おかけしましたことをお詫び致します。

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