【見通せる確かな仕上がり】BMW 4シリーズ・プロトタイプ ドイツで試乗 前編

公開 : 2020.05.04 10:20

当面は後輪駆動の430iと四輪駆動のM440i

ホイールベースは2851mmで、先代より42mm長い。BMWは正確なボディサイズを明らかにしていないが、3シリーズ・サルーンより57mmも全高は低いという。全長と全幅は少し大きくなるようだ。

このクーペは、4シリーズのモデルファミリーを構成する第一弾。続いてカブリオレとグランクーペが、2021年に登場する。ちなみに新しい4シリーズ・グランクーペは、純EVのi4のベースにもなる。

BMW 4シリーズ・クーペ・プロトタイプ
BMW 4シリーズ・クーペ・プロトタイプ

新しい4シリーズ・クーペも、実際にショールームへ並ぶのは半年ほど先。BMWは今のところ、430iとM440iの2つのモデルグレードのみを発表している。420iと430d、435dも後日追加となる模様。

もちろん、4シリーズ・クーペの頂点には、2代目になるM4も控えている。登場は1年以内とされている。最近リニューアルしたアウディRS5クーペと、新しいメルセデスAMG C63クーペの、好敵手となることは間違いない。

当面の間は、今回試乗したM440i xドライブが、4シリーズ・クーペのハイライトとなる。ジュニアM4と呼べる運動性能と品質に、安全技術、最新の四輪駆動システムを搭載する。

エンジンは3.0Lの直列6気筒ターボで、電圧48Vによるマイルド・ハイブリッドが組み合わされる。アクセルオフで、エンジンを休止させることも可能だ。

最高出力374psを、5500rpmから6500rpmの範囲で発生。最大トルクは1850rpmから5000rpmの間で、50.9kg-mを生み出す。滑らかでとても力強い。アクセルペダルを踏んだ以上のエネルギーを体感できる。

ディーゼルのように低回転から強力

左側のシフトパドルを1秒以上引くと、スプリント・モードが起動する。オルタネーターが11psを加算し、さらに力強さを増してくれる。アクセルを穏やかに操作し、高めのギアを保てば、素晴らしくリラックスした高速巡航も味わえる。

もう1台試乗したのは、430i。英国ではこちらの方が人気となるだろう。エンジンはBMW最新の2.0L 4気筒ターボガソリンで、4ドアサルーンの330iと同じユニット。

BMW 4シリーズ・クーペ・プロトタイプ
BMW 4シリーズ・クーペ・プロトタイプ

最高出力258psを、5000rpmから6000rpmで発生。最大トルクは1640rpmから5000rpmの間で、40.7kg-mを湧出する。先代のユニットより、7psと4.6kg-m、たくましくなっている。

排気ガスの微粒子を取り除くガソリン・パティキュレート・フィルターを装備し、エグゾーストノートは特にメロディアスというわけではない。それでも惹き付けられるレスポンスを持ち、パワー感もリニア。

滑らかに、7000rpmまで気持ちよく吹け上がる。加えて豊かなトルクが、動的性能の基礎をしっかり支える。

まるでディーゼルエンジンのように低回転から強力で、感心するほどの柔軟性を備えている。430iは忙しい変速なしに、活発な中間加速を楽しませてくれる。

この豊かなトルクを生み出すエンジンに相性抜群なのが、トルクコンバーター式の8速AT。秀抜の洗練性も獲得している。

Dレンジに入れたままで、リズム良くスムーズに変速を完了。Sモードにすれば、期待通りにスポーティ度がアップする。ステアリングホイールに付いたシフトパドルを弾いたり、セレクターを倒せば手動での変速も可能だ。

この続きは後編にてご紹介しよう。

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