【2020年で一番のカーデザイン】マツダ3 2.0(6) 夢見るエステート 長期テスト

公開 : 2020.06.20 11:50

魅惑的な美しいデザインが与えられたハッチバック、マツダ3。歩道を往く人からの注目度も低くはありません。搭載するスカイアクティブ-Xの実力は、マツダが主張する通りなのか、英国編集部が長期テストで確認していきます。

積算1万2749km 2020年のカーデザイン賞

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新型コロナウイルスの影響で、長期テストマツダ3は自宅前に停まっまま。自動車というより、通りに飾られた現代彫刻作品のようだ。そこで改めて、マツダ3のデザインについて考えてみたい。

この控えめなハッチバックは、2020年のワールド・カーデザイン・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。ご存じの読者もいるだろう。審査員の1人には、英国編集部のリチャード・ブレンナーも名を連ねている。

マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)
マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)

マツダのデザインがこの賞を獲得したのは、今回が初めてではない。最新のマツダMX-5(ロードスター)へも、2016年に同じ賞が与えられている。

この賞で、比較的小さなハッチバックが獲得することはかなり珍しい。マツダ3より前となると、2006年のシトロエンC4までさかのぼる。

一方でジャガーランドローバー社のモデルは、最近デザインの評価が高い。FペイスレンジローバーIペイスなどが受賞している。

マツダ3の2020年ワールド・カーデザインの受賞は、筆者も深くうなずくところ。ここ1年、刺激的なデザインを持つクルマの登場は少なかった。

マツダ3のデザインは、形状やディテールなどを細部まで観察し、理解するのに少し時間がかかる。天気の良い日には、ボディサイドの曲面に映り込む美しい反射やハイライトに、思わず見惚れてしまう。

マツダ3のステーションワゴン

英国編集部や読者からも、多くの意見が寄せられている。人によっては、ドアの大胆なくぼみが、不自然にえぐられているように感じるらしい。好みは分かれるかもしれないが、最高のデザインを成し遂げるには、既存のデザインに対する挑戦は必要だと思う。

マツダの受賞から数週間後、スペインでデザイナーをする読者のホセ・アントニオ・アランダからメッセージをもらった。彼はツイッター上で、カーデザインのスケッチを何枚も載せている人物だ。

ホセ・アントニオ・アランダの描いたマツダ3ステーションワゴンのスケッチ
ホセ・アントニオ・アランダの描いたマツダ3ステーションワゴンのスケッチ

アランダが送ってきたのは、彼の想像で描いたマツダ3ステーションワゴンのスケッチ。とても簡素なスケッチだったが、筆者もマツダ3のステーションワゴンやシューティングブレークに対するツイートをしたことがあり、内容に興味を抱いた。

単に、スタイリングが美しいだけではない。マツダ3のデザインで最も意見が分かれる、太いCピラーの処理が彼なりに提案されていたからだ。

分厚いショルダーラインは筆者も良いと思う。サイドウインドウが後ろに伸びることで、視覚的な重さが軽減され、リアシートの閉所感も軽減されるだろう。

前回、大人用の自転車を積んだばかりだったから、彼のアイデアはタイムリーだった。リアシートを折り畳めば充分大きな荷室が作れるものの、荷室自体は後ろよりのキャビンのせいで広くはない。

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