【長く乗るほど、もっと一緒にいたくなる】トヨタ・カローラ(最終回) 長期テスト

公開 : 2020.07.11 11:50  更新 : 2021.01.28 16:58

新しく生まれ変わったトヨタ・カローラ。競争の激しいファミリーカーの中で、どれほど優れた内容を備えているのでしょうか。日本ではカローラ・スポーツと呼ばれるハッチバックを、時間を掛けて英国編集部が検証します。

積算1万372km 近所の買い物にも最適

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

トヨタカローラ・スポーツは、近所の買い物に最適なクルマだった。英国でロックダウンが始まる数日前にトヨタへの返却が決まり、長期テストも間もなく終了。

しばらく屋外に止められていたカローラ・スポーツのホイルアーチ内に、コマドリは巣を作ったようだ。小鳥一家にとっても、素晴らしいファミリー・ハッチバックになっている様子。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)

積算1万372km 480kmの長距離も楽しめる

トヨタ・カローラ・スポーツの長期テストも最終回。英国仕様にも、もちろん日本の巨大な自動車メーカーのエンブレムがついている。でも製造は、英国ダービーシャー州の工場でおこなわれている。

そこで筆者は日英合作の成功モデルが生まれる現場を見るために、トヨタのバーナストン工場を訪ねることにした。同じ工場で生まれたハッチバック、トヨタ・カローラ・スポーツに乗って。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッドとカローラ・ツーリング・スポーツ
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッドとカローラ・ツーリング・スポーツ

長期テストを振り返るだけではない。新しくカローラ・ファミリーに加わる、GRスポーツと、ツーリングのトレック(カローラ・クロス)にも出会うことができた。

新しいカローラのメンバーは、カローラ・スポーツで筆者が感じていた、細かな不満を解決してくれている。その内容にも触れてみたい。

ロンドンの英国編集部からダービーシャー州のバーナストン工場までは、480km。たとえ今回のきっかけがなくても、高速道路の長距離ドライブをカローラ・スポーツなら楽しめただろう。

カッコイイ見た目に追いつかないインテリア

ハイブリッドの時代を実感するような旅だった。賑やかなノイズから開放された、快適なクルージングを味わえる。

AUTOCARの編集部スタッフにも、外出時は頻繁に選ばれた。質素なクルマではあるが、快適に、経済的に長距離をこなせる。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)

英国でもオーリスと置き換わるように登場した、新しいカローラ・スポーツ。驚くほどの信頼性と、刺激の少ない献身的な走りという特徴は引き継いでいる。特に距離を走るドライバーには歓迎される要素だ。

しかし、それだけではない。トヨタ・カローラ・スポーツは、大きな前進を遂げていた。平凡なハッチバックから、フォード・フォーカスのライバルに匹敵するほどの進化を得ているのか、確かめずにはいられなかった。

筆者は、長期テストでカローラ・スポーツに乗る前は、フォード・フォーカスの担当だったから、比較にもちょうど良かった。

スタイリングの変化は大きい。控えめにいっても、カローラ・スポーツはかなりシャープになった。細部を観察しなくても、ひと目見ればカッコイイと思える。

一方でインテリアは、ボディのデザインに追いついていない。トヨタ製モデルを所有したことのある人なら、いつものことだと思うだろう。

すべての操作系が良くレイアウトされ、快適性も素晴らしい。だが、華やかさには欠ける。洗練性より実用性重視。特に目立った不満はないものの、長期間乗っていても、何か気持ちに変化を与えてくれる居場所ではなかった。

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