トヨタ・カローラ 2.0ハイブリッド(1) ハッチバックの日本代表 UK編が最新ハード概説

公開 : 2025.10.02 19:05

躍動的なスタイリングの12代目カローラ 堅牢さが滲み出るインテリア タッチモニターは前時代的 充分以上の動力性能 直感的に操れるシャシー 想像以上にフラット UK編集部が試乗

「つまらないクルマはやめよう」

オーリスを名乗った時期もあったが、1966年から販売が続くカローラ(カローラ・スポーツ)。豊田章男氏の「つまらないクルマはやめよう」という哲学のもと、12代目には優れた競争力が与えられ、2018年に提供が始まっている。

プラットフォームは、同社の主力車種で共有するTNGA。先代より重心は10mm落ち、ボディ剛性は60%増しになり、リアにはマルチリンク式サスペンションが奢られる。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)2.0ハイブリッド・エクセル(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)2.0ハイブリッド・エクセル(英国仕様)

生産はグレートブリテン島でも行われ、2023年に続いて2025年にもアップデート。現在のパワートレインは、遊星ギアによる無段階変速機(e-CVT)と2基の電気モーターが組み合わされた、1.8Lか2.0Lの自然吸気4気筒ハイブリッドのみとなっている。

最高出力は、140psか178psの2種類。今回注目したのは、パワフルな後者だ。

躍動的で洗練されたスタイリング

スタイリングは、多くの人の目へ躍動的で洗練されたものに映るのではないだろうか。ボディ下半分のボリュームがやや大きすぎるかもしれないが、オーバーハングが短く、プロポーションは悪くない。

全長は先代より約40mm伸び、全幅は30mm広がり、全高は25mm低い。フォルクスワーゲン・ゴルフより長く、ホンダシビックより短く、丁度このクラスの真ん中辺りの大きさといえる。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)2.0ハイブリッド・エクセル(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)2.0ハイブリッド・エクセル(英国仕様)

2023年の改良でヘッドライトが更新され、新デザインのホイールも用意されたが、最新仕様では塗装色を追加。グロスブラックのドアミラーも設定された。

ボディスタイルは、ハッチバックのカローラ(カローラ・スポーツ)と、ステーションワゴンのツーリングスポーツ(カローラ・ツーリング)のほか、英国では選べなくなったサルーンの3種類。商用車仕様のコマーシャル・ワゴンは、提供が続いている。

堅牢さが滲み出るインテリア

クルマを評価する時、品質という言葉がしばしば用いられる。BMWレンジローバーの内装で品質を用いる時、素材の上質さを示す場合が多いかもしれない。他方、カローラでは製造水準や耐久性の高さを示すことになる。

恐らく、車内で誰かが大暴れしても、内装はピンとしているに違いない。樹脂製なことを隠さない部分は多く、ゴムコーティングは厚くないものの、堅牢さが滲み出ている。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)2.0ハイブリッド・エクセル(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)2.0ハイブリッド・エクセル(英国仕様)

操作系のレイアウトは良好。エアコンやトラクション・コントロールのスイッチはしっかり大きく、シートヒーターのスイッチも手袋をしたまま簡単に押せる。ドアポケットやカップホルダーは小さく、入る小物やボトルを選ぶけれど。

2025年の英国仕様では、最上級グレード「エクセル」のシートやステアリングホイール、シフトセレクターが、本皮から合成皮革へ変更された。質感は概ね変わらず、肌触りは良い。高級感も漂わせるが、ゴルフ級ではないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    役職:ソーシャルメディア・エグゼクティブ
    AUTOCARのSNS担当として、X、YouTubeショート、インスタグラムなどの運営を任されている。以前は新聞紙や雑誌に寄稿し、クルマへの熱い思いを書き綴っていた。現在も新車レビューの執筆を行っている。得意分野はEVや中古車のほか、『E』で始まるBMWなど。これまで運転した中で最高のクルマは、フォルクスワーゲンUp! GTI。 『鼻ぺちゃ』で間抜けなクルマだったが、家族の愛犬もそうだった。愛さずにはいられないだろう。
  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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