【どう変わったのか?】新型スバル・レヴォーグに試乗 同じ価格帯ではトップレベルのコストパフォーマンス

公開 : 2020.09.22 11:50  更新 : 2021.10.09 23:22

アイサイトX ありがたみを感じる時

運転支援機能の目玉商品が手放し運転機能を取り入れたアイサイトXである。

新型アイサイトをベースに3D高精度電子地図、ドライバーモニタリングシステム、ステアリングタッチセンサーを追加し、自車位置測定はGPSに加えて日本版GPSの「みちびき」も併用し測位精度の向上を図った。

スバル・レヴォーグ
スバルレヴォーグ    スバル

売り物の手放し走行は高速道路で50km/h以下、前走車追従時、つまり高速渋滞限定。他にはカーブ前速度制御、料金所前速度制御、渋滞時発進アシスト、自動車線変更の機能がある。

特設路でこれらの機能を試してみたが、手放し自動操舵は興味深いものの、運転待機を維持を前提にすればそれほど有り難みもない。文字通りの手持ち無沙汰。

一方、カーブ前と料金所前の自動減速はACCの機能向上として有用性が高い。地図参照の先読み制御は安心感も高く、システム任せで状況に応じた滑らかな走行が可能である。

ベースとなるアイサイトは市街地を中心とした衝突回避機能の向上が見所。右左折時の車両/歩行者/自転車も対象に加えている。

交差点死角からの左方直交車や右折時歩行者を対象としたデモ走行では、自動制御のドンッ踏みブレーキで見事に回避。ありがちな状況だけに有り難みも殊更。

他にも追突回避操舵支援や車線変更時等の側後方接近車回避支援機能等が追加されている。

300〜350万円スポーティ系でトップ

一昔前ならステーションワゴンはユーティリティで乗用車をリードする存在だったが、その地位はクロスオーバーSUVに取って代わられ、シューティングブレークに象徴されるユーティリティも良好なプレミアム&スペシャリティなモデルの意味合いが濃い。

レヴォーグはそういった現代的なワゴンに有り様に沿ったモデルだ。

スバル・レヴォーグ
スバル・レヴォーグ    スバル

次期モデルでは積載性の向上を図っているが、総合的なキャビン実用性に大きな変化はない。

新旧で大きく変わったのは走りだ。とくにサスストローク速度の抑制が利いたフットワークは乗り味の車格感を向上。振動騒音面の雑味も減って全体的に洗練された印象が強い。

回頭性優先のスバル流ファントゥドライブも程よく残されている。さらにグレードアップしたアイサイトとアイサイトXである。

価格詳細は未発表だが、標準モデルのGTが税込み約310万円。従来の1.6GT-Sと同等。ちなみに電子制御サス仕様のSTIスポーツは約370万円、アイサイトX搭載車は約40万円高である。

アイサイトX込みでは価格のハードルも高くなるが、性能や走りの質感、アイサイトの機能などの向上がそのまま買い得度に上乗せ。

適応用途や嗜好に大きく影響されるものの300〜350万円を主力とするスポーティ系ではトップレベルのコスパである。

記事に関わった人々

  • 川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。

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