【課題とジレンマ、浮き彫りに】電気自動車が普及するのはいつ? カストロールが調査

2020.09.23

サマリー

カストロールが行った世界的な調査では、EVが普及するのに適した価格、航続距離、充電時間の目安が示されました。また、自動車メーカーや政府の課題とともに浮き彫りになったのは、EVならではのジレンマでした。

もくじ

EVの普及 まだまだ先の話?
一番の優先事項は車両価格
理想からは程遠い現実 バッテリー価格
充電器 1日500基のペースが条件

EVの普及 まだまだ先の話?

text:Hilton Holloway(ヒルトン・ホロウェイ)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

カストロール・ブランドを保有するBP社の世界調査によると、平均的なEVの価格が2万7000ポンド(364万円)、航続距離が約460km、“満タン”までの充電時間をわずか31分に短縮できるようになったとき、EVが主流になる時代が来るという。

EVが世界的に普及するための転換点は、充電時間と航続距離の大幅な改善、そして販売価格にかかっている。

魅力的なモデルも増えてきたが、課題は未だ山積み。
魅力的なモデルも増えてきたが、課題は未だ山積み。

カストロールは市場調査会社に依頼し、8か国(日本、中国、インド、米国、英国、フランス、ドイツ、ノルウェー)の1万人の一般消費者と法人ユーザーにインタビューを行った。

この調査によると、世界の平均的な自動車購入者がEVを検討し始めるのは2024年で、ドイツ、英国、米国では2025年まで「興味を持つことはない」と推定している。

憶測ではあるが、EVが主流の選択肢となる時期については、さらに悲観的な見方をしている。8か国の平均的な推定時期は2030年だが、英国と日本では2033年と推定している。

中国では2027年にEVが主流になるとされているのは、おそらく政府による莫大な支援と中央集権的な計画があるからだろう。

世界的に見ると、法人ユーザーの71%が、2030年までに購入する社用車のほとんどをEVにすると予想されている。

一番の優先事項は車両価格

調査では、EVを購入する際の5つの条件(価格、充電時間、航続距離、インフラ、車両サイズ/タイプ)を分類し、一般消費者と法人ユーザーに重要度の高い順にランク付けしてもらった。

消費者の最大の関心事は価格(38%)で、次いで充電時間(28%)、航続距離(20%)であった。これは矛盾しているように見えるかもしれないが、急速充電が簡単に利用できるのであれば、航続距離はそれほど重要な問題ではなくなる。

今のところ富裕層と企業がメイン顧客となっている。
今のところ富裕層と企業がメイン顧客となっている。

価格に関しては世界中の消費者が第一の懸念事項としているが、その中で最も厳しい線を示したのは英国で、2万2500ポンド(303万円)が検討の転換点となった。ドイツでは2万8500ポンド(385万円)、日本では3万1000ポンド(418万円)以上であった。

世界中のドライバーは、これまで何世代にもわたって化石燃料を数分で満タンにすることに慣れている。また、ディーゼル・エンジンの台頭によって、数分の燃料補給で1000km近い航続距離が得られるようになった。

こうした経緯を踏まえてカストロールが調査したところ、EVのエネルギー補給には比較的寛容なドライバーが多いようだ。

世界平均の希望充電時間は31分であった。最も我慢強いのはインドと中国の回答者(同35分と34分)で、我慢弱いのはフランス人(同27分)であった。英国人は30分が妥当だと考えている。

それでも、インタビューを受けた人々は、従来の内燃機関車のように素早く充電できるようになって初めて、EVが主流になると考えていることが明らかになった。

 

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