【詳細データテスト】アルピナB3ツーリング 圧倒的なパフォーマンス パフォーマンスカーでは異例の快適性 アルピナの最高傑作

公開 : 2020.11.14 11:50

結論 ★★★★★★★★★★

われわれが10点満点をつけるのは、状況を一変させるようなクルマであることが多いのだが、アルピナB3はそれほど革新的な存在とはいえない。だが、このワゴン仕様は、じつに魅力的な特質の集合体だ。それは、単に優秀なパーツを集めて組み上げた結果を超えたものだった。

快適性、パフォーマンス、実用性、走りの楽しさ、そして競合車と比較した場合のコストパフォーマンス、それらすべての要素で、これほど魅力にあふれるクルマは、おそらくないだろう。それこそ、B3ツーリングが満点を獲得した理由だ。センセーショナルなほど完璧なプロダクトである。

結論:オールドスクールなレシピを守りながら、アルピナは最高傑作を産み出した。
結論:オールドスクールなレシピを守りながら、アルピナは最高傑作を産み出した。    MAX EDLESTON

アルピナの成功を支えるのは、顧客が自社製品に何を求めているかを認識できる能力だ。BMWの現行3シリーズは、E30からとはいわないまでも、少なくともE46以降では、アルピナ車の製作に最適なベースだといえる。しかし、並外れた実力を持つエンジンと細部に渡るシャシーの改修が、このクルマの成熟ぶりと楽しさを新たな高みへと引き上げた。

B級道路のみならず、高速道路においても、新型車を優秀な先代モデルより魅力的なものにする術を、これほどはっきりと示したクルマはほかに思いつかない。パフォーマンスカーを手に入れ、一年中いつでも走らせたいというなら、B3ツーリングはかけがえのないとびきりレアな宝石のような存在となる。

担当テスターのアドバイス

リチャード・レーン

このクルマをドイツで走らせた経験からいうなら、新型B3オーナーは一度でいいからそれを味わってほしい。アルピナのテスト項目には、270km/hでの緊急レーンチェンジがあり、B3の高速域でのスタビリティはとてつもなくみごとだ。

マット・ソーンダース

新型B3でとにかく好きな点は、挙動のすばらしい熟成ぶりだ。B5ライトとでもいおうか、ボディサイズは小さくなり、ハンドリングのシャープさはずっと増している。あのソリッド感は、このパッケージをさらに高尚なものにしてくれる。

オプション追加のアドバイス

メリノレザートリムは金額に見合ったアイテムだ。シートだけでなくダッシュボードも革張りになり、じつに贅沢な雰囲気を作り出す。タイヤについては、ぜひ19インチも試したい。乗り心地はソフトになるはずで、もちろん出費も抑えられる。

改善してほしいポイント

・もっと容量の大きい燃料タンクがほしい。75Lくらいはあってしかるべきだ。
・2700rpmでのトルクデリバリーはよりスムースにしてほしい。
・アルピナのステアリングリムは、BMWと違って細く、硬い手触りなのが美点だったのだが。
・S58ユニットに生気を与えるエキゾーストシステムを作ってくれないだろうか。BMWはしてくれないだろうから。

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