【ジムニー対抗は本当に出る?】ホンダNボックス独走の軽自動車市場 2021年以降をを大予想 電動化は

公開 : 2021.01.06 11:05  更新 : 2021.10.11 13:37

タフトに沸いた2020年の軽市場。それでもNボックス独り勝ちに大きな変化なし。2021年以降、ダイハツやホンダからジムニー対抗や電動車は出るか?

軽市場ひとまず安定期のような雰囲気

text:Kenji Momota(桃田健史)

嵐が過ぎ去った後……。

2020年末の軽自動車市場を俯瞰すると、そんな気持ちになる。

直近2020年11月、乗用モデル別の販売台数は、1位がホンダ「Nボックス」1万5685台。
直近2020年11月、乗用モデル別の販売台数は、1位がホンダNボックス」1万5685台。    ホンダ

直近2020年11月、乗用モデル別の販売台数は、1位がホンダ「Nボックス」1万5685台と王者の貫禄を見せつける。

以下、
スズキスペーシア」1万2027台
ダイハツ「タント」1万599台
ダイハツ「ムーヴ」9980台
日産「ルークス」9019台
スズキ「ハスラー」6597台
ダイハツ「タフト」6503台
ダイハツ「ミラ」6068台
スズキ「アルト」5654台
日産「デイズ」5427台
スズキ「ワゴンR」5199台
ホンダ「Nワゴン」4439台
スズキ「ジムニー」4344台、
ホンダ「Nワン」2899台
そして三菱「eK」2016台と続く。

今年は、新型コロナ感染症拡大という異例の市場環境の中、4月の緊急事態宣言から夏まで軽販売も登録車と同様に大きく落ち込んだが、秋口から前年並みの水準まで販売は回復している。

こうしたコロナ禍という嵐ではなく、軽は注目の新車が出揃ったことで市場トレンドとして嵐が一旦収まっているような状況にある。

この安定期はいつまで続くのだろうか? 新たなるトレンドはいつ、どのように生まれるのだろうか?

各メーカーの事業状況/事業戦略、また自動車業界内での「噂」など、様々な角度から2021年の軽市場を予測してみたい。

揺るぎないホンダNボックスの存在

まずは、軽市場の中核であるスーパーハイトワゴンだ。

この分野は、2003年に登場したタントによって第1段階の広がりを見せた。

ダイハツ・タント(2019年)
ダイハツ・タント(2019年)    佐藤正勝

さらに、2007年登場の2代目タントがセンターピラーレスで乗降がしやすい、ミラクルオープンドアを採用したことで一気に需要が伸びた。

当時、開発担当者に詳しく取材したが「ユーザー目線での着実な開発を進める中で、自然に生まれた発想だ」として、量産に向けて製造部門や部品購買部門との交渉を始めたことを明らかにした。

2000年代後半の軽市場は、ワゴンRというベンチマークに対して、ムーブがあり、そこに新しい風としてタントが踏み込み、それを「パレット」(スペーシア前身)を当て込むという、4大モデル体制での安定期を迎えた。

こうした市場環境について、筆者はネット系媒体で当時、顧客データを解析する記事を定期的に策定していたが、まさかこの後、市場環境が一変すると想像できなかった。

2011年12月、Nボックスの登場だ。

ホンダの技術研究所という建付けで、ダイハツやスズキとは開発コストに関する基本的な考え方が異なることなど、様々な要因から、Nボックスの商品性はそれまでの軽の常識を覆した。

その結果、2012年度の販売台数でトップとなって以来、2017年9月の2代目Nボックスへの進化を経て現在に至っている。

記事に関わった人々

  • 佐藤正勝

    Masakatsu Sato

    1964年生まれ。1984年東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業後、八重洲PRセンターに入社。86年にF1/ルマン24時間を撮影後何かのスイッチが入ったらしく退社。フリーとなり国内外のレースを撮影。91年に撮影したDTMで、また何かのスイッチが入ったらしくどっぷりドイツ漬けに。現在は撮影のみならず、CS放送でのレース解説や雑誌への執筆も。

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