【全14ブランドの新会社】FCAとPSA合併完了 新生「ステランティス」 世界第4位

公開 : 2021.01.18 18:05

FCAとPSAの合併が完了し、新会社「ステランティス」が誕生しました。プジョー、フィアット、ジープなど14のブランドを所有する世界4位の自動車会社となります。しかし実質的な支配権はPSA側にあるようです。

年間800万台の一大会社へ

text:Will Trinkwon(ウィル・トリンクウォン)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

フィアットクライスラー・オートモビルス(FCA)とPSAグループの合併が正式に完了し、「ステランティス」と呼ばれる新会社が誕生した。

新会社の名前は、ラテン語で「星で明るくなる」という意味の「Stello」に由来している。年間約800万台を生産し、1500億ポンド(21兆円)以上の収益が約束されているステランティスは、世界で4番目に大きい自動車会社になる。

プジョー2008
プジョー2008

ステランティスは、主にPSAによる量産車ブランドと、FCAのアルファ・ロメオマセラティなどの高級車ブランドを含む合計14のブランドを包括する。この中には、欧州を中心としたブランドもあれば、米国を中心としたものもある。

ステランティスが所有するブランドは次の通り。プジョーシトロエン、DS、ヴォグゾール/オペル、アルファ・ロメオ、フィアット、ランチア、マセラティ、ダッジジープ、クライスラー、ラム、アバルト

PSAとFCAの広報担当者によると、今回の合併は、相乗効果と規模の経済性を組み合わせることで、最終的には 32億ポンド(4537億円)のコスト削減が可能になるという。

新会社はFCAとPSAが折半出資するが、PSAのカルロス・タバレスCEOがステランティスのCEOに就任し、取締役会の過半数はPSAのメンバーで構成されているため、実質的にはフランスの会社が支配権を握っている。

この合弁は2019年10月に暫定的に締結され、2週間前にPSAとFCAの株主によって正式に合意された。ほぼ全会一致で可決され、両社の取締役会では約99%の承認を得た。欧州委員会は今月初めに合併を承認した。

ステランティスは正式な会社となったが、同社の株式は1月18日にパリとミラノで交換する普通株式を公開し、その翌日にニューヨーク証券取引所に上場するまで取引できない。

強みはバンとSUV

世界第4位の自動車会社であると同時に、ステランティスは巨大なバンメーカーでもある。

伝統的にPSAとFCAの強みで、ルノーカングーやラム・プロマスターなどのバンの販売台数は、新型コロナウイルスが流行する以前は2020年前半に50万台を超えると予想されていた。

シトロエン・ベルランゴ
シトロエン・ベルランゴ

PSAは昨年末、シトロエン・ベルランゴ、プジョー・パートナー、ヴォグゾール・コンボバンの電動モデルを2021年に発売すると発表した。

新会社のもう1つの強みはSUVだ。PSAは昨年、大型車に使用されるeVMPプラットフォームの計画を明らかにした。新プラットフォームがFCAブランドにも採用されるかどうかは明らかになっていないが、コスト削減のために、何らかのプラットフォーム共有が行われる可能性が高い。

おすすめ記事

 

自動車ニュースの人気画像