ベースは日産車? スペインの四駆メーカー『サンタナ』が復活 ディーゼルとPHEV導入へ

公開 : 2025.05.03 06:45

2011年に解散したスペインの自動車メーカー、サンタナが中国資本の支援を受けて再起しました。鄭州日産などと共同で「オフロード愛好家向け」のピックアップトラックを開発し、スペイン国内で生産するとしています。

鄭州日産らと共同開発

四輪駆動車の製造で知られるスペインの自動車メーカー、サンタナ(Santana)が、日産自動車と東風汽車の合弁会社である鄭州日産の後援を受けて復活した。

サンタナは、鄭州日産と安徽コロネット・テック社と共同で、「まったく新しい車両」の開発に取り組んでいると発表した。ディーゼルエンジン車とPHEVが用意されるという。

サンタナが公開した新型車の予告画像。
サンタナが公開した新型車の予告画像。    サンタナ

車両はアンダルシア州リナレスの旧サンタナ工場で生産される予定で、「オフロード愛好家向けに設計されている」とのことだ。

詳細についてはまだ明らかにされていないが、同社のウェブサイトに掲載された予告画像からは、大型のピックアップトラックであることが伺える。おそらく、上海モーターショーで発表された日産フロンティア・プロをベースにしたものと思われる。

PHEVモデルでは、ターボチャージャー付き1.5L 4気筒ガソリンエンジンと1基の電気モーターを搭載し、合計出力408ps、最大トルク81.5kg-mを発生する。中国CLTCサイクルでは、電気のみでの走行距離は最大135kmに達する。

サンタナは、今年後半にモデルラインナップを正式発表する予定だ。

オリジナルのサンタナ社は1956年に設立され、2年後にはスペインでランドローバーのライセンス生産を開始した。

1980年にランドローバーモデルの独自バージョンを販売する権利を取得し、『リジェロ(Ligero)』や『PS-10』などのモデルを展開した。

1985年にはスズキと提携し、サムライ、ジムニー、ヴィターラのライセンス生産を開始した。

2007年から2011年にかけては、イヴェコ向けにPS-10の改良型モデル『マシフ(Massif)』を生産した。しかし販売台数が期待に及ばなかったため、イヴェコは契約を解除し、サンタナは事実上消滅した。同社は2011年に清算手続きに入った。

最近、中国資本で復活したスペインのブランドはサンタナだけではない。元トラックメーカーのエブロ(Ebro)は、チェリー(奇瑞汽車)の後援を受けて再起し、バルセロナの元日産工場でリバッジモデルを生産している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 
×