【ファストバックが追加】アウディQ5スポーツバック 40 TDI クワトロへ試乗 小変更

公開 : 2021.02.07 10:25

力強く柔軟な2.0Lディーゼルターボ

プラグイン・ハイブリッド版も登場予定だが、早くても2021年末になる見込み。4気筒エンジンはすべて、電圧12Vのスターター・ジェネレーター(ISG)を用いたマイルド・ハイブリッドとなり、V6エンジンは電圧48Vのシステムとなる。

今回試乗した40 TDIのトランスミッションは7速デュアルクラッチATで、クワトロ・ウルトラとアウディが呼ぶ四輪駆動システムも搭載。必要時以外は前輪のみを駆動させ、動的性能を維持しつつ燃費性能を高めているという。

アウディQ5スポーツバック 40 TDI クワトロ Sトロニック(欧州仕様)
アウディQ5スポーツバック 40 TDI クワトロ Sトロニック(欧州仕様)

一方、パワフルなV6エンジン版では、ZF社製のトルクコンバーター式ATにトルセンデフを用いたクワトロが採用される。トルクベクタリング機能も付くスポーツデフは、SQ5に装備できる。

Q5スポーツバック 40 TDIで走り出してみる。明確に速いとは感じないものの、40.7kg-mの最大トルクが1750rpmから発生し、高速道路程度の速度域ならかなり力強い。機械的な洗練度も高い。

中回転域での柔軟性も高く、必要なパフォーマンスを得るのに4800rpmのレッドラインまで回す必要は感じない。ボディには防音材が増やされ、エンジンノイズはよく遮断されている。だが、高負荷時にはディーゼルらしいエンジン音が聞こえてくる。

デュアルクラッチATは、レシオの設定が良くスムーズ。燃費を意識してか、積極的にシフトアップしていく。シフトダウンは、滑らかさに欠く場面もある。惰性走行時に、エンジンと駆動系を切り離す機能が働くためだろう。

最新のクワトロ・ウルトラは、グリップが不足しリアタイヤへトルクが伝わる場面でもシームレス。スポーツ・モードを選択すると、後輪も常時駆動されるようになる。

強く誘惑するファッション性

Q5スポーツバックには、標準でスポーツ・サスペンションが装備されるが、上位グレードではアダプティブ・エアサスペンションへアップグレードも可能。車高を上げ最低地上高を60mm増やすことが可能で、悪路での対応力も広がる。

スポーツ・サスペンションでも、ハンドリングはかなりイイ。積極的に旋回し、横方向の力が増大しても、優れた姿勢制御で支えてくれる。制限速度域ならほとんどボディロールせずに、連続したカーブを抜けていける。

アウディQ5スポーツバック 40 TDI クワトロ Sトロニック(欧州仕様)
アウディQ5スポーツバック 40 TDI クワトロ Sトロニック(欧州仕様)

一方で、さほどドライバーの充足感は得られない。ステアリングはダイレクトながら、相当にペースを速めない限りステアリングホイールの操舵感は人工的で軽すぎる。

乗り心地はとても柔軟。試乗車のタイヤは、19インチで235/55というサイズのミシュラン・ラティチュードだったが、しっかり衝撃を吸収してくれていた。

管理の悪い路面では、ライバルほど上手にはやり過ごせないかもしれない。だが、初期のQ5の硬い乗り心地は、すっかり過去のもの。

標準のアウディQ5の走りも同等に優れ、より広い車内空間を、より手頃な価格で提供してくれることは事実。しかし、Q5スポーツバックのパッケージングや仕上がりも高い。

もしプレミアムSUVとしてファッション性を重視するなら、Q5スポーツバックに強く誘惑されることだろう。通常のQ5の方が、総合点では上だとわかっていても。

アウディQ5スポーツバック 40 TDI クワトロ Sトロニック(欧州仕様)のスペック

価格:5万9725ポンド(836万円)
全長:4690mm
全幅:1893mm
全高:1600mm
最高速度:222km/h
0-100km/h加速:7.6秒
燃費:14.5-16.1km/L
CO2排出量:163-180g/km
車両重量:1900kg
パワートレイン:直列4気筒1968ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:203ps/3800-4200rpm
最大トルク:40.7kg-m/1750-3250rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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