【ポイントは価格】マツダ3改良新型 出力アップ、eスカイアクティブX/ディーゼルを検証

公開 : 2021.02.03 11:52  更新 : 2021.10.11 13:49

マツダ3(マイナーチェンジ車)の試乗レポートです。出力アップの効果、安全装備の向上などを検証。評価のポイントは、据え置かれた価格です。

どんなクルマ?

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)
photo:Keisuke Maeda(前田恵介)

新旧を並べて見る、見分けが付かない。

スカイアクティブX車はバッヂが追加されているので辛うじて判別できたが、ディーゼル車は仕様書とナンバーで新旧の確認をしなければならなかった。

エンジンの最高出力が10ps、最大トルクが1.6kg-m高まったeスカイアクティブX車。写真はマツダ3セダンX Lパッケージ(FF:eスカイアクティブX)。
エンジンの最高出力が10ps、最大トルクが1.6kg-m高まったeスカイアクティブX車。写真はマツダ3セダンX Lパッケージ(FF:eスカイアクティブX)。    前田恵介

スカイアクティブXが「e-SKYACTIV X(eスカイアクティブX)」に変わっているが、これは名称変更。また、サススプリングのバネ定数および形状、ダンパー減衰力を変更するものの機構的な変化はない。

ならば何が目的のMCか。

1つは運転支援機能の拡張。従来は約60km/hが上限だった走行ライン制御型LKAの支援速度域を高速域にまで拡大し、実用性を向上させている。

もう1つは走りの洗練と熟成、あるいは人馬一体のちょっとしたこだわりである。

手を入れた部分は「制御」。GVCが代表的だが、機構的な変更や付加を行わずに性能向上を図っているのがミソ。効果についてもGVC同様にドライブフィールを中心とした特性変更であり、操り心地の改善を要点にパワートレインとサスに手が加えられている。

ただし、サスまわりの改良は全モデルに共通しているが、パワートレインの改良についてはeスカイアクティブX車とディーゼル車に施され、1.5L車と2L車は従来どおり。

また、従来はATに限定されていたファストバック2L車に、FF車限定だが6速MTが追加されている。

そして何よりも重要なのは価格。“据え置き”なのだ。

LKAの機能向上だけでも買い得感アップ。走りのブラッシュアップでさらに。eスカイアクティブX車とディーゼル車はそこに上乗せ。知恵を使ってユーザーにコスト負担を強いない改良というのもマツダらしい。

eスカイアクティブXに試乗

eスカイアクティブXはピストンによって着火直前まで高まった圧力に、プラグ点火の発火で一押しかけて混合気全体を圧縮着火で一気に燃焼させる。

いわば爆縮着火とも言える燃焼方式を採用している。このためSPCCI稼働中の吸入空気量は一定に保たれる。しかも極低負荷域と全負荷高回転域以外は、吸気の半量をEGRが占める。

マツダ3セダンX Lパッケージ(FF:eスカイアクティブX)
マツダ3セダンX Lパッケージ(FF:eスカイアクティブX)    前田恵介

こういった制御は従来と変わっていない。

全開で加速させると、新旧ともにメーター読みで約4500rpmでSPCCI稼働から通常燃焼に移行。その他の走行状況においても、SPCCI稼働/通常燃焼の制御で明確な違いは見られなかった。

しかし、ドライブフィールは違っていた。

従来車では応答性や加減速などのコントロール性のよさは内燃機車では群を抜いていたが、全体的に線が細い印象。力感に乏しいという言い方をしてもいいだろう。

新型は踏み込み直後にトルクが盛り上がる。瞬発力という程に過剰でもなく、その後の加速の繋がりもいい。

応答性をそのままに力感や小気味よさを高めたような感じだ。最高出力/最大トルクともに従来車を上回るが、全開加速よりも通常走行のほうが改善効果は大きかった。

記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。

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